今週初め、日本・横浜で5月28日に開催される世界タイトル二本立て興行のニュースが報じられた。
大橋プロモーションが主催するこのイベントでは、エドゥアルド・ヌニェスと力石政法が、空位となったIBF世界スーパーフェザー級王座を争う。また、武居由樹がWBO世界バンタム級王座の防衛戦に臨み、無敗のユッタポン・トンディーと対戦する。会場は横浜文化体育館。
ヌニェスは、当初アンソニー・カカーチェのIBF指名挑戦者だったが、カカーチェがより高額な試合である5月10日のリー・ウッド戦を優先する形で王座を返上。その結果、ヌニェスと力石による王座決定戦が実現することとなった。
一方、武居は本来、昨年12月24日に予定されていたリング誌&四団体統一スーパーバンタム級王者・井上尚弥 vs サム・グッドマン戦のアンダーカードでトンディーと対戦する予定だった。しかし、グッドマンのカットによって興行が延期に。その後、1月24日に再調整されたが、今度は武居が右肩の軟骨を損傷し、試合は再び中止となっていた。
力石政法(16勝1敗、11KO)は、IBF世界ライトフライ級王者・矢吹正道の実弟。2017年にプロデビューし、3戦目で後のOPBFスーパーフェザー級王者・坂晃典にTKOで敗れた。その後連勝を重ね、渡邉卓也との一戦で判定勝ちを収め、OPBF王座を獲得。1度の防衛を経て、リカルド・ヌニェスを3ラウンドKOで下し、国際的な舞台でも存在感を示した。
30歳のサウスポー、力石はイタリアに乗り込み、元IBO王者マイケル・マグネシとの激闘に挑んだ。試合は終盤まで全ジャッジのスコアカードで劣勢だったが、残り30秒を切ったところで怒涛のラッシュを仕掛け、劇的なストップ勝ちを収めた。この名勝負のあと、力石は調整試合を1戦こなしている。
エドゥアルド・ヌニェス(27勝1敗、27KO)は、『リング誌』スーパーフェザー級ランキングで現在7位にランクされている。長らくメキシコ国内でほとんど無名の存在だったが、出場した試合のほとんどをKO勝ちで制してきた。唯一の敗北はヒラム・ガヤルドとの6回戦(判定負け)で、それ以外は全てKO勝ち。その中で6ラウンドを超えた相手はわずか3人のみという圧倒的なKO率を誇る。
そんな27歳のハードパンチャーに転機が訪れたのは、タジキスタンで行われたシャフカッツホン・ラヒモフ戦。屈強なあごを誇る元王者候補を11回TKOで仕留め、一躍注目を集めた。さらにその後、元世界タイトル挑戦者で今もなお堅実な実力を持つミゲール・マリアガを6ラウンドTKOで下し、勢いを加速させている。
武居由樹(10勝0敗、8KO)は、バンタム級で『リング・マガジン』ランキング4位に位置しており、2021年にボクシングへ転向する前は、K-1で非常に成功したキャリアを築いていた。プロボクシングわずか5戦目でOPBFスーパーバンタム級王座を獲得し、1度防衛に成功した後、階級をバンタム級に下げた。
その後2戦を経て、WBO世界バンタム級王者ジェイソン・モロニーへの挑戦権を獲得。28歳のサウスポーは序盤からリードを奪い、後半は気迫あふれるモロニーの追い上げをしのいで、12ラウンドの判定勝ち(3-0)で世界王座を手にした。初防衛戦では、元WBC世界フライ級王者・比嘉大吾との接戦を制し、ユナニマス判定(3-0)で勝利を収めている。
ユッタポン・トンディー(15勝0敗、9KO)は、プロ転向前にタイ代表としてキューバ、カザフスタン、スペインなどで国際大会に出場したアマチュア経験豊富な選手。2020年にプロデビューを果たして以来、無敗をキープしている。
その後、31歳のトンディーは比較的控えめな相手との対戦を重ねてきており、これまでの15戦すべてが母国タイで行われている。
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