井上尚弥のアメリカ復帰戦は、まさに記憶に残る一夜となった。モンスターは序盤にダウンを喫するも見事に立て直し、果敢に挑んできた
ラモン・カルデナスを打ち負かし、スーパーバンタム級4団体統一王座を守り抜いた。
ラスベガスでの前回の試合から丸4年を目前に、無敗のパウンド・フォー・パウンド王者(30勝無敗、27KO)は、以前よりもさらに大きな注目と期待を背負って“世界のボクシングの中心地”に凱旋。次なる階級への挑戦も噂される中での一戦だった。
この夜は、WBOフェザー級王者ラファエル・エスピノサ(29勝無敗、26KO)が鮮やかなストップ勝ちで防衛に成功。IBF王者アンヘロ・レオ(25勝1敗、12KO)もリングサイドに姿を見せ、注目の視線を井上に送っていた。
第2ラウンド終了間際、井上はジョエル・ディアスの指示どおりのパンチを放ったカルデナスの左フックでまさかのダウン。完璧なタイミングの一撃に、多くの観客が息を飲み、誰もが試合の展開に驚かされた。
ちょうど1年前のルイス・ネリ戦でも井上は初めてプロでダウンを喫したが、5ラウンド後に見事なフィニッシュを決めた。今回もその再現のような展開となった。
第3ラウンドでは近距離での打ち合いが激化。偶然のバッティングで試合が一時中断される場面もあったが、井上はジャブを積極的に突き、冷静に立て直しを図った。
第4ラウンドに入ると、井上のワンツーが観客の歓声を呼び、終盤には右ストレートが正確にヒット。挑戦者をぐらつかせながら左フックへの対応も見せ、カルデナスの自信に満ちたボディランゲージも第5ラウンドの中盤には消えていた。
第6ラウンドではさらに劣勢に追い込まれ、レフェリーのトーマス・テイラーがストップ寸前まで様子を見守る場面も。井上の強烈なボディ攻撃と強打の右ストレートに、カルデナスは防戦一方となり、放ったパンチはもはや一か八かの反撃だった。
第7ラウンド、カルデナスがボディとアッパーで一瞬盛り返す場面もあったが、直後に井上の4連打が炸裂。挑戦者はコーナーへと追い込まれ、ダウンを喫した。ディアスは「あと1ラウンド」と送り出したが、第8ラウンド開始からわずか1分も経たずして、試合はストップされた。
さらなる分析は間もなく公開予定…