サウジアラビア・リヤド発 日本のスーパースター、
井上尚弥が洗練された内容を見せ、無敗だった
アラン・ピカソを相手に12回判定勝ち(3-0)を収めた。会場はモハメド・アブド・アリーナで、井上はRingおよびスーパーバンタム級4団体統一王座の6度目の防衛に成功した。公式スコアは120-108、119-109、117-111。
井上尚弥(32勝0敗、27KO)は『The Ring V: Night of the Samurai』のメインイベントで華麗なパフォーマンスを披露し、世界王座27連勝を達成した。舞台は、同じ日本人でパウンド・フォー・パウンドにも名を連ねる
中谷潤人との超大型スーパーファイトへの道が開かれた。中谷はセミファイナルで
セバスチャン・ヘルナンデスを下している。
「今夜の自分のパフォーマンスは十分ではなかった。もっとできたはずだ」と、試合後インタビューで通訳を介して井上は謙虚に語った。「勝てたことはうれしいが、本当に疲れている。少し休む必要がある。」
「この試合から学び、次はもっと良くなる。」
井上は初回前半、メモを取るかのように様子を見せ、堂々と構えながら、ほとんどピカソに攻撃を促すような立ち姿を見せた。その後、井上は相手の周囲を回り始め、ジャブを放ちながら、効果的な強打も織り交ぜていった。早い段階から、日本の強豪はピカソがこれまで経験したことのないレベルで試合を支配していた。
2回、「モンスターモード」が発動し、王者の井上が電光石火のコンビネーションでポイントを重ねた。 ボディブローへの意識が強く見られた。ピカソは、目の前で相手が攻勢を強めていくのを見守るしかなかった。挑戦者も応戦として右を数発当てたが、いずれも嫌がらせ程度にとどまった。
ピカソが攻撃的に出ようとするたびに、より強く、より速く、より激しいパンチで即座に返された。こうした試合の流れは、受ける側のスタミナと気力を確実に削り取り、次第にパンチを出すこと自体をためらわせていく。
5回、ピカソは左フックというこの試合で最も良い一撃を当てたが、直後に4連打のコンビネーションと鋭いダブルジャブで即座に叱責された。この時点では、井上はまるでジムで練習しているかのようだった。ロープを背にし、「キャッチ・アンド・シュート」を織り交ぜながら、鋭い左を次々と突き刺し、さらにジャブの上から強烈な右を叩き込んだ。
ピカソが手を抜いていたわけではない。ただ、井上のレベルに太刀打ちできなかっただけだ。過去20年ほどのスーパーバンタム級を見渡しても、同じ土俵で渡り合える選手は片手で数えられるほどしかいない。7回になるとピカソの手数は落ち、打開策も尽きていった。井上は狙い通りにジャブを当て続けた。
ラウンドが進むにつれ、井上は完全にオートマチック状態に入っていた。脅かされる場面は一切なく、ピカソから引き出せる材料もほとんどなかった。正確な左ジャブと、断続的に繰り出される強打が、試合がチャンピオンシップラウンドに入ってもなお、挑戦者に不用意な攻撃を許さなかった。
11回終盤、ピカソが数発まとめて打ち込む場面はあったが、試合は終始一方的な展開のまま、最終ゴングを迎えた。
井上尚弥対中谷潤人がいかに巨大な一戦であるかは、強調しすぎることができない。両者とも無敗。ともに全盛期にある複数階級の世界王者。いずれもパウンド・フォー・パウンド・ランキング10位以内に名を連ねる存在で、正真正銘のノックアウトアーティストでもある。これ以上を望むのは難しい。
「(中谷と自分は)今夜はともに非常に良い勝利を収めた」と井上は語った。「来年、どうなるかを決めることになるが、日本のファンにはとても良いものを期待してもらえるはずだ。」
試合は5月3日に東京ドームで行われる構想が浮上しており、日本ボクシング史上最大の一戦に位置づけられる可能性がある。多くのファンや専門家にとって、井上尚弥対中谷潤人は世界ボクシング界でも屈指の魅力を持つ対決と映っている。
32歳の井上はインタビューの中で、Ringおよびスーパーフライ級4団体統一王者のジェシー・「バム」・ロドリゲスが準備でき次第、対戦する意思があることも明かした。
ピカソはこれで戦績を32勝1敗1分(17KO)とした。
コンピュボックス・スタッツ:ピカソは健闘したが、コンピュボックスが記録したすべてのスタッツで井上が上回った。井上は総ヒット数で158発多く当て、ジャブは161対63、パワーパンチは167対107、ボディブローも96対66と、それぞれ大きな差をつけた。井上は1ラウンド平均27発をヒットさせ、ピカソの被弾は1ラウンド平均14発に抑えた。ジャッジの採点は119-109、120-108、117-111で、いずれも井上を支持した。