大舞台は、とりわけ経験の浅いボクサーにとっては飲み込まれてしまいがちなものだ。
プロ戦績わずか5戦の21歳、
モハメド・アラケルがもし気圧されてしまっても誰も責めはしないだろう。しかしリヤド生まれのジュニアライト級コンテンダーは言い訳を一切するつもりはない。
モーゼス・イタウマ対ディリアン・ホワイト戦のアンダーカードで初回KO勝ちを収めてから4週間――アラケルは人生最大の一戦へと挑む。
9試合2部構成で行われるカネロ・アルバレス対テレンス・クロフォード戦の前座、その大舞台の一角で、彼はトラヴィス・ケント・クロフォードと対峙する。9月13日、ラスベガスのアレジアント・スタジアムで無数の視線が彼に注がれることになる。
テキサス出身のホープ、クロフォード(7勝4敗、2KO)は直近2試合で6回判定負けを喫しており、決して好調とは言えない。それでも、この巨大な舞台は22歳の彼にとって大きなモチベーションとなるだろう。
一方のアラケル(5勝0敗、1KO)は、まだ試合前の緊張を感じていないが、仮に緊張が押し寄せても本番でのパフォーマンスには影響しないと自信をのぞかせる。
「大きな舞台だけど、俺はこのために生まれてきたと信じている。この瞬間から逃げるつもりはないし、すでに準備はできている」とアラケルは
『ザ・リング・マガジン』に語った。
このようなビッグカードでの試合経験と露出は、アラケルにとってキャリア構築の道筋となってきた。着実に成長を重ね、ピークと最終的な到達点へと近づいている。今回が自身初となる10回戦は、間違いなく貴重な経験になるはずだ。
「とにかく対戦相手のレベルを上げ続けたい。もっと成長して、さらに強い相手と戦いたい。それがトップにたどり着く唯一の道であり、俺が目指している場所なんだ」とアラケルは語った。