マイク・タイソンが総合格闘技(MMA)のキャリアを考えたことは一度もなかった。その最大の理由は「金」である。
ヒップホップアーティストのファット・ジョーが『Hard Rock Bet』のインタビューで「UFCで戦うことを考えたことはあるか?」と尋ねた際、タイソン(アイアン・マイク)はこう答えた。「いや、考えたことはないね。聞いてくれ、UFCのトップファイター5人を合わせても、俺の報酬には届かないんだ。俺は“最大のファイター”でありたい、最高のファイトマネーを得たい、そういうすべてを手にしたいんだ。マイク・タイソンが試合をするとき、他のすべてが止まるんだよ。」
タイソンと同等レベルの報酬を得たことがある唯一のUFCファイターは、元2階級制覇王者のコナー・マクレガーだけである。
タイソンが現役だった1997年から2005年の間、UFCヘビー級王者にはマーク・コールマン、モーリス・スミス、ランディ・クートゥア、バス・ルッテン、ケビン・ランデルマン、ジョシュ・バーネット、リコ・ロドリゲス、ティム・シルビア、フランク・ミア、アンドレイ・アルロフスキーといった面々が名を連ねていた。
タイソンが総合格闘技との“クロスオーバー対決”に最も近づいたのは、ボブ・サップとの一戦だったが、その試合は実現しなかった。とはいえ、近年のEAスポーツ製作の『UFC』ビデオゲームシリーズには、プレイアブルキャラクターとして登場している。
元ヘビー級王者でありボクシング界の象徴でもあるタイソンは現在、自身の一人舞台ショー第2弾の準備を進めており、さらに来年開催予定の
フロイド・メイウェザーとの
エキシビションマッチにも備えている。
Manouk Akopyanは『ザ・リング・マガジン』の主任記者である。 X (旧Twitter)およびInstagramでは@ManoukAkopyanで連絡可能。