マイク・タイソンが、自身の名前のブランド力をフル活用して稼ぎに出る姿勢をさらに強める。
元ヘビー級王者で世界的アイコンのタイソンは、来春に予定されている
フロイド・メイウェザーとのエキシビションマッチと、自身のワンマンステージショー「リターン・オブ・ザ・マイク」を掛け合わせて展開している。
“アイアン・マイク”はすでにイベントの宣伝を開始しており、米NBCの番組「トゥデイ・ショー」に出演して、この二つの企画について詳しく語った。
タイソンが「本当にまだ戦い続けるのか」と質問されたとき、彼は長く沈黙し、大きく息を吸い、ため息をついて、こう答えた。
「聞いてくれ。正直に言うよ。俺には14歳の息子がいて、息子がこう言ったんだ。『なんで?なんでやるの?』って。その瞬間、俺は何て答えればいいのか分からなかった。一瞬、悲しくなった。でも俺はこう言った。『俺は歴史上最高だからだ。それが理由だ』って。息子には伝わらなかったけど、俺は続けた。『やらなきゃならない。俺にはこれしかできないんだ』ってな。
それに、俺は50代で20代よりも多くの金を稼いだんだ。これは面白いことだろ?今俺は60歳目前だ。金なんて意味はない。大事なのは愛する人たちを守れるってことだ」
2003年に破産申請したタイソン(50勝7敗44KO)は、近年莫大な金を稼ぎ出している。2020年11月にはロイ・ジョーンズ・ジュニアとのエキシビションに挑み、さらに昨年にはジェイク・ポールと対戦。その試合は公式戦績にも反映されている。
当時58歳だったタイソンは、ポール戦で体が言うことを聞かず、奇跡的に全盛期を取り戻すようなパフォーマンスを見せられず、世界中の多くのファンを落胆させた。
しかしタイソンは、メイウェザー戦では「全く違う自分」を約束している。
「これは面白いことになるぞ、そうだろ?」とタイソンは言った。「もう3戦目だから、緊張はすっかり抜けている。これが一番の出来になるはずだ。……もし人々が金を払うのをやめたら、そうだな、これが最後の試合になるだろう」
またタイソンは、高い評価を受けたワンマンショーの第2弾についても語った。このショーはハードロックホテルとの提携で11月9日にイリノイ州ロックフォードで幕を開け、その後11月23日にシンシナティ、12月14日にフロリダ州ハリウッド、そして1月23日にはニュージャージー州アトランティックシティへと巡る予定だ。
「自分の人生を見直しているんだ」と彼は語った。「話すことは山ほどある。いくつかの訴訟についても話すことになるだろう。君たちは何も分かっちゃいない……妻がいつも俺に、嫌な過去を掘り起こして人々に知らせろって言うんだ。本当は思い出したくもないことをな。でも痛みこそが喜劇なんだ。人はそれを冗談だと思うかもしれないが、俺は自分の人生で実際に起きたことを話し、そこに少し自分らしい味付けをしているんだ」
Manouk Akopyanは『ザ・リング』の主任ライター。Xとインスタグラムで @ManoukAkopyan をフォローできる。