彼のWBCウェルター級世界タイトルの初防衛戦は、比較的順調に見えた。
2024年11月、マリオ・バリオスはアベル・ラモス戦に大きな優勝候補としてリングに上がった。そして、それには十分な理由があった。33歳のラモスは全体的に消耗しているように見え、バリオスと対戦する前の5試合のうち3試合で敗北を喫していた。また、彼は主要4団体のいずれのランキングでも上位には位置していなかった。
何よりも、バリオスが年老いたベテランに救いの手を差し伸べているように感じられた。しかし、29歳のバリオスが瀕死の犬を仕留めるかのように圧倒するかと思われた中で、ラモスはまだ十分な闘志を持っていることを証明した。
2回にダウンを喫し、序盤は劣勢に立たされたラモスだったが、6回にはバリオスをダウンさせ、試合の後半をほぼ支配した。最終的に勝利には届かなかったものの、バリオス(29勝2敗1分、18KO)は、スプリット・デシジョン(引き分け)という結果により、自身の戦績がさらに汚されたことに納得していない。
あの消耗戦となった夜を振り返り、バリオスはため息をついた。試合前の時点で、自分が圧倒的に勝つことを期待されているのは分かっていたし、実際、自身もそう予想していた。しかし、思い通りにはならなかった。それでも、彼は試合で見せた脆さについて特に気にしていない。多くの人が彼の弱点が露呈したと指摘する中で、バリオスは「ラモスがとにかくタフだっただけだ」と明かしている。
「タフな試合になることは分かっていた」とバリオスはFightHype.comに語った。「序盤は自分が試合をコントロールしていると感じていたけど、いいショットをもらってしまった。それでも、最後は強く締めくくれたと思う。」
ボクシングでは、2人の選手が互いにどれだけダメージを与えたかで評価されるため、引き分けは珍しくない。ラモスもそれをよく知っており、今回で自身の戦績に3度目のドローが加わった。先週末には、ジャーボンテ・デイビスとラモント・ローチが36分間にわたって互角の戦いを繰り広げ、またしても引き分けという結果に終わった。
デイビスとローチの場合、再戦の可能性が高い。しかし、バリオスは再戦に興味があるようには聞こえなかった。
それは再戦で何が起こるかを恐れているからではない。むしろ、彼は自身のキャリアを次のレベルに進めることに興味を持っているようだ。そのためには、ディビジョンの中でも大きな名前を倒さなければならないだろう。
「大きなことが待っている。」