オーストラリアのヘビー級有望株ジャスティス・ヒュー二(12勝無敗7KO)は、2025年のスタートとして1月8日、ゴールドコーストで行われたショーン・ポッジーター戦で第2ラウンドTKO勝利を収め、ジャイ・オペタイアがIBFクルーザー級世界王座を防衛した興行のセミファイナルを飾った。
25歳のヒュー二は、2023年3月にサウジアラビアで開催されたアンソニー・ジョシュア対フランシス・ガヌーのアンダーカードで、南アフリカのケビン・レレナとの厳しい10回戦を経験した後、母国で格下相手に3連続ストップ勝利を挙げている。
レレナは元IBOクルーザー級王者で、2018〜2020年に6度の防衛に成功。2022年12月にはヘビー級でダニエル・デュボアから1ラウンドに3度のダウンを奪うなど、国際的な評価を高めたが、ヒュー二との試合では後半に失速し、判定で敗れた(96-94×2、98-92)。
マッチルーム代表エディ・ハーンはこの試合後、「これは大きな学びの場だった。ヒュー二は大きくダメージを受けたが、今後のためにも経験値を積む必要がある。次の試練に備えるにはこういう夜が必要なんだ」と語り、慎重なマッチメイクを示唆していた。
だが、それから1年も経たずして、マッチルーム陣営は“手綱を緩める”構えを見せている。
オレクサンドル・ウシクがタイソン・フューリーとの2連戦後に長期休養を宣言し、フューリーも再び引退を表明するなど、ヘビー級戦線は不透明なままだ。デュボア対パーカー、バコレ対アジャグバ、カバイェル対チャンといった試合が今後3カ月で予定されている。
そんな中、モーゼス・イタウマ(11勝無敗9KO)が昨年12月21日のウシクvsフューリー2のアンダーカードでデンジー・マクキーンを初回KOで下し、次なるステップアップを狙っている。3月にリバプールで復帰戦の可能性があるが、ヒュー二との対戦はWBO暫定王座決定戦として承認される可能性もある。
マッチルームのハーンはこの対戦に前向きで、両陣営も実現を望んでいる。
ヒュー二のマネージャー、ミック・フランシスは『The Ring』に次のように語った。
「ジャスティスはここ3年、左ひじの骨片による怪我を抱えたままボクシングをしていた。スパーリングでも数ラウンドで痛みが出て止めざるを得なかった。今、その問題を解決する。今後2週間以内に手術を受ける予定で、日帰りの小手術。1カ月で回復し、4月か5月には戻れる見通しだ。
対戦相手も何人か候補がいるが、大きな焦点はイタウマ戦。彼は我々のターゲットだ。素晴らしい若いファイターだが、ジャスティスほどの技術と能力はまだ持っていない。」
イタウマについてフランシスはこう続けた。
「彼は才能ある若手であることに疑いはない。パワーもある。ただ、今のヘビー級はただ大きいだけでなく、動ける“新世代”の時代に入っている。
本来ならお互い数年かけて成長させるべきだが、“今この瞬間”に世界はこの2人の対決を望んでいる。
現在、ジャスティスはWBO世界ランキング5位でグローバル王座を防衛済み。モーゼスは6位でインターコンチネンタル王座を防衛している。ランク更新後は2位対3位になる可能性が高く、完璧な構図だ。両者とも素晴らしい人物で、若い才能。この試合は両陣営とも本気で望んでいる。
俺たちは『即決で』受ける。おそらく今年後半には実現するだろう。」