リンドン・アーサーは、自身の世界王座への希望が、4月26日にロンドンのトッテナム・ホットスパー・スタジアムで行われるアンソニー・ヤードとの3度目の対戦で勝利することにかかっていると理解している。
この日のメインイベントは、クリス・ユーバンク・ジュニアとコナー・ベンによるミドル級の遺恨マッチであり、リング誌が主催する初のボクシング興行の看板試合となるが、その激しい確執が注目を集める一方で、アンダーカードではいくつかの重要で興味深い試合が組まれている。
そのひとつが、リンドン・アーサー(24勝2敗、16KO)とアンソニー・ヤード(26勝3敗、24KO)による3戦目の対決である。
2020年12月、アーサーはヤードを12ラウンドで判定に持ち込み、番狂わせを演じた。鋭いジャブを中心に展開し、ヤードの攻撃を封じ、フラストレーションを与えながら見事スプリット・ディシジョンで勝利を収めた。
その1年後、長引いた交渉を経て再戦が実現したが、アーサーは調子が上がらないまま試合に入り、ヤードに主導権を握られ、4ラウンドでストップされた。
それ以降、両者ともに世界タイトル戦に挑んだが、敗北を喫している。
2023年1月、ヤードはアルツール・ベテルビエフの持つ統一ライトヘビー級タイトルに挑戦したが、壮絶な打ち合いの末、8ラウンドでTKO負けを喫した。同年末には、アーサーが当時のWBA王者ディミトリー・ビボルに挑戦したが、ユナニマス・ディシジョンで敗れている。
両者とも再び世界戦線に返り咲くことを強く望んでいるが、そのためには確かな勝利を収める必要があることを理解している。
今回の再戦の報には驚きの声もあったが、統一王者かつリング誌王者であるビボルとベテルビエフによる3度目の対戦が近く合意に至るとされており、またデビッド・ベナビデスがWBC王者に正式認定されたばかりという状況を踏まえると、この第3戦は理にかなっている。
アーサーとヤードの因縁をここで決着させる機会であり、勝者は今後のタイトル戦に向けた交渉の場で有利な立場を得られる。一方、敗者は非常に厳しい立場に追い込まれることになる。
マンチェスターのコリハーストとモストン・ジムからの情報によれば、アーサーはこの正念場に向けて懸命にトレーニングに励んでいるという。
「負けたくない。これまでも負けたくなかったけど、今は絶対に負けたくない」と、アーサーは『ボクシング・ナウ』に語った。
「彼が自分に勝てることは分かってる。実際にやられているからね。だから、リングに立っている間は常に集中して、気を抜かず戦わなきゃいけない。」
「周りが何を言おうが関係ない。見たくない人は見なくてもいい。でも、試合は行われる。それが事実だ。」
「今のライトヘビー級の情勢を見れば、勝者がどうなるかは自ずと分かるはず。国内でも世界でもビッグマッチがたくさんある。ビボルとベテルビエフが再戦すると聞いているし、WBCタイトルはベナビデスに移ったばかり。これからは各地で大きな試合が展開されると思う。」