ワシル・ロマチェンコは、まさに宙ぶらりんの状態にある。
2023年のデビン・ヘイニー戦での物議を醸した敗北の後、引退は避けられないように思われた。しかし、その計画は取り消され、ロマチェンコは父親の説得を受けてキャリアを続けることを決意した。
今年5月、37歳のロマチェンコはジョージ・カンボソスJr.を破り、IBFライト級王座を獲得。まだ十分に力が残っていることを証明した。
それ以来、『ザ・リング・マガジン』のライト級ランキングで2位に位置するロマチェンコは、慢性的な背中の問題に悩まされ、将来が宙に浮いた状態となっている。そんな中、ジェルボンテ・デービスが対戦の意思を示した。ライト級の絶対王者と見なされるデービスは、将来の殿堂入り確実なロマチェンコとの対戦を望んでいた。しかし、その計画は最終的に実現しなかった。
しかし、希望が完全に失われたわけではない。両者の交渉が再開される可能性は残されているが、ロマチェンコの肉体的・精神的な健康が最優先だ。最近は公の場に姿を見せていないものの、ロマチェンコの長年のマネージャーであるエギス・クリマスは、彼の不透明な将来について少し明かしてくれた。
デービスが対戦に興味を示しているだけでなく、シャクール・スティーブンソンもロマチェンコとの統一戦を望んでいる。ロマチェンコ自身は特にどちらかを優先する様子は見せていない。しかし、もし決定権が彼の手を離れ、クリマスに委ねられたとすれば、彼は迷うことなく対戦相手を選ぶだろう。
「(ジェルボンテ・デービスは)ずっと優れたファイターだと思う」とクリマスは『The Ring』に語った。「シャクールについて悪く言うつもりはない。彼も非常に優れた選手だが、彼はディフェンス主体のファイターだ。守りを固め、逃げ回る。一方で、タンク(デービス)は戦うために前に出る。より面白い試合になる。はるかに魅力的な戦いだ。」
デービスがフロントランナーであっても、ラモント・ローチとのマジョリティ・ドローが単なる偶然だったことを証明しなければならない。両者は近い将来再び対戦する可能性が高いが、クリマスとロマチェンコは、今回こそデービスが勝利することを願って指を組んでいるかもしれない。
ローチやスティーブンソン、また135ポンドのトップ選手たちに対して何も悪いことは言うつもりはないが、クリマスがロマチェンコにリングで戦ってほしいのはただ一人の選手だけだ。
「今の時点では、万全のロマチェンコがタンクと戦うためのベストな相手だ。」