リンドルフォ・デルガドは、土曜夜ラスベガスでエルビス・ロドリゲスが求めていた“再起”を打ち砕いた。
メキシコのジュニアウェルター級コンテンダーであるデルガドは、10ラウンドにわたる試合を通して積極的に攻め続け、第9ラウンドにダメージを受ける場面がありながらも立て直し、タクティカルな展開の末にマジョリティ・デシジョンで勝利を収めた。この試合は、リチャード・トーレス対グイド・ヴィアネッロのアンダーカードとして、ラスベガスのパームス・カジノ・リゾート内パール・シアターで行われた。ジャッジのエリック・チークとデイビッド・サザーランドはともに96-94でデルガドに軍配を上げ、95-95としたクリス・ミリオーレのスコアを無効にした。
デルガド(23勝0敗、16KO)にとって、この勝利は2016年リオ五輪出場者としてのプロ8年キャリアの中で最も重要なものとなった。また、ロドリゲスの6連勝もこの試合でストップした。
ロドリゲス(17勝2敗1分、13KO)は、名トレーナーのフレディ・ローチの指導を受けるドミニカ共和国出身のサウスポーで、今回の敗戦までは負け知らずだった。前回の黒星は2021年5月、ラスベガスのヴァージン・ホテルで行われた8回戦で、シカゴのケネス・シムズにマジョリティ・デシジョンで敗れたときだった。
ロドリゲスとデルガドのどちらも『ザ・リング』誌のジュニアウェルター級ランキングトップ10には入っていないが、IBF、WBC、WBOの主要3団体のランキングには名を連ねている。
デルガドはWBCで5位、IBFで7位、WBOで8位にランクされており、ロドリゲスはIBFで5位、WBOで14位、WBCで15位にランクされている。
この試合は当初、IBFジュニアウェルター級ランキングの空位となっている2位の座を巡る指名挑戦者決定戦として承認されていた。しかし、IBFの指名挑戦者決定戦は12ラウンドでなければならないという規定に反していたため、試合が10ラウンドで行われることが判明した時点で、IBFは前日の金曜日にこの承認を撤回した。
ロドリゲスは第9ラウンドにデルガドへダメージを与えたことから、第10ラウンド開始と同時に積極的に攻め込んだ。右目の下の腫れにより視界が妨げられるなかでも、彼は最後の3分間を勝負に出ようと懸命に戦った。
両者ともに接戦であることを理解していた第10ラウンドでは、デルガドの方がよりクリーンなヘッドショットとボディショットを当てており、そのラウンドの内容が勝敗を左右した可能性がある。
第10ラウンドの中盤少し前、デルガドは前に出てきたロドリゲスに対し、左フックを的確にヒットさせた。
第9ラウンド残り1分を切ったところで、ロドリゲスは左ストレートをデルガドのアゴにクリーンヒットさせ、デルガドは混乱状態でロープにもたれかかるように後退し、リングを横切る形となった。ロープが倒れるのを防いだが、レフェリーのアレン・ハギンズはダウンとは判定しなかった。
第9ラウンド序盤には、ロドリゲスの右フックがデルガドのボディにヒット。その約30秒後、デルガドがローブローを放ったとしてハギンズから警告を受けた。
第8ラウンド残り30秒余りの場面では、ロドリゲスの右がデルガドにクリーンヒットしている。
第7ラウンド終盤、バランスを崩したデルガドをロドリゲスがロープの外に押し出すような形になり、その隙に左のパンチをヒットさせた。デルガドがディフェンス態勢に入る前の出来事だった。さらにそのラウンド残り1分余りの場面では、デルガドの左フックがロドリゲスをバランスを崩させるほどのインパクトを見せた。
第6ラウンド後半には、デルガドの右がヒット。それを受けたロドリゲスはすぐさま攻勢に出たが、デルガドは後退しながらも冷静にディフェンスを見せた。
第5ラウンドでは、デルガドが15秒ほどの間に3発の右をヒットさせた。これらのパンチはロドリゲスに大きなダメージを与えることはなかったが、この時点でロドリゲスの左目の下には明らかな腫れが見え始めていた。
第5ラウンド後半、ロドリゲスは左から右へのボディブローをコンビネーションで決めた。
第4ラウンド残り1分15秒あたり、ロドリゲスはデルガドのガードの外側から左を打ち込み、クリーンヒットさせた。デルガドもすぐに反応し、残り50秒強の場面で右を当てたが、ロドリゲスも再び左を返して応戦した。
ロドリゲスが初めて効果的な左ストレートをヒットさせたのは、第3ラウンド残り10秒を切ったところだった。それまでの2分50秒間、ロドリゲスはクリーンなパンチを打ち込む隙を見つけられずにいた。
デルガドは第1ラウンドと第2ラウンドのいずれにおいても積極的にプレッシャーをかけていった。とはいえ、この6分間で多くのパンチをヒットさせたわけではなかった。一方のロドリゲスは慎重な立ち上がりで、第1・第2ラウンドともに手数も少なく、精度にも欠けていた。
Keith Idecは『ザ・リング・マガジン』の上級記者兼コラムニスト。X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡可能。