ジョージ・リダードがヨークホールで
キーロン・コンウェイを10ラウンドTKOで下し、キャリア最高のパフォーマンスを披露して史上最年少の英国ミドル級王者になる。
数か月にわたる緊張と激しい舌戦を経て、リダード(13勝0敗、8KO)は序盤から鋭い動きを見せ、コンウェイ(23勝4敗1分、7KO)をキャリア初のストップ負けに追い込み、有言実行で勝利を掴む。ただし、試合後には両者の間にしっかりとした敬意があった。
29歳のコンウェイは、終盤で左手と右肩の負傷により明らかに動きが制限され、時間の経過とともに勝利が遠のいていった。
ビレリッキー出身のリダード(23歳)は、2015年にニック・ブラックウェルが同じジムの仲間でセコンドを務めたジョン・ライダーを破ったときよりも2歳若くして、英国タイトル獲得を成し遂げた。
「こういう形で勝ちたくなかった」とリダードは試合後のインタビューで認め、トニー・シムズに感謝を述べた。シムズの指導によって経験豊富なプロへと成長し、13戦目で英国王者となった彼は、「このステップアップは早すぎる」と批判した声を再び黙らせた。
来月には、ビラル・ジキトゥとディエゴ・ナチューが、
デンゼル・ベントリーの返上したヨーロピアンタイトルを懸けて激突する予定だ。もちろん、彼(リダード)も次はその方向へ進みたいと考えるだろう。この段階まで到達したら、もう後戻りはできない。適切なタイミングでマッチメイクが組まれれば、2026年はさらに明るい未来が待っている。
「チームがどう言うか聞くよ。みんなは“まだ早い”と言ってたけど、トニーもチームも俺が何をしているか分かってる。勝てると思わなければリングに上げないさ」とリダードは語り、自身が愛するウェストハムFCの本拠地ロンドン・スタジアムで、いつかマッチルーム興行のメインを務めたいという夢を改めて口にした。10か月で2度のメインイベント登場――悪くない歩みだ。
リダードは序盤からリング中央を支配し、ジャブを軸にコンウェイの高いガードを突き崩していった。第1ラウンド終盤には見事なコンビネーションを決め、コンウェイは若い挑戦者の勢いを止められずにラウンドを終えた。この流れは試合を通して続いた。
リダードのジャブは鋭く、コンウェイも至近距離でアッパーと右のコンビネーションを返したが、チャンピオンの右目にはすでにダメージが見え始めており、反撃が足りなければさらに悪化する状況だった。勢いに乗る若い挑戦者を止めるのは、言うほど簡単なことではなかった。
コンウェイの鼻は出血し、コーナーへ戻る姿にも疲労の色が濃かった。序盤でリズムを掴めず、ラウンド終盤に追い上げる形が続いた。リダードが正確なパンチを浴びせ、主導権を完全に握っていた。
「3ラウンド取ってる」とリダードがコーナーで声をかけると、トニー・シムズは「まだ体力をほとんど使ってない」と応じた。第4ラウンドではコンウェイが左フックとワンツーをヒットさせ、ようやく手応えを感じ始めたが、それでもリダードはボディワークを効かせ、手数で上回った。
コンウェイの陣営は「リダードのパワーが落ちてきている」と感じたようだが、それは願望に近いものだった。実際、挑戦者のコーナーは彼のジャブで試合をコントロールできていることに満足していた。
リダードは巧みなヘッドムーブとフットワークで距離を自在に操り、休むべきときは休み、攻めるべきときは一気に踏み込んだ。
終盤、コンウェイが左をヒットさせる場面もあったが、打ち合いになりそうになるたびに、リダードは冷静に距離を取り、危険な場面を見事に封じ込めた。
右目の下をカットし、パンチも狙いより反応で出す場面が増えたコンウェイは、第8ラウンドで多少持ち直したものの、先に手を出すたびにリダードがすぐさま反撃し、観客を沸かせる強打を叩き込んだ。その頃には、チャンピオンの闘志に陰りが見え始めていた。
そして予感どおり、第9ラウンド開始前にコンウェイはコーナーで顔をしかめた。右目下の傷口から再び血が滴り、マイクが拾った声では「拳を握れない」とつぶやいていた――左手の負傷を示唆する言葉であり、彼にとって最悪の展開だった。
この時点で明らかにダメージを負っていたコンウェイは、ロープ際でリダードの連打を浴び、前進する勢いのまま倒されてしまう。
そして第10ラウンド、試合終了は0分49秒。コンウェイのコーナーは、最初こそ「倒れるな、耐えろ」と鼓舞していたが、次第に防御もままならない愛弟子の姿に覚悟を決め、ついにタオルを投入――これでリダードのTKO勝利が確定した。