現代のボクシング界で、リアム・スミスほどこのスポーツを深く理解している選手はそう多くない。そして、自身の立場や価値をこれほど明確に認識しながらボクシングに向き合っている選手となると、さらに稀だ。
元WBO世界ジュニアミドル級王者のスミスは、現在、無敗のアイルランド人アーロン・マッケンナ(19勝0敗、10KO)との次戦に向けて準備を進めている。この試合は、クリス・ユーバンクJrとコナー・ベンのミドル級因縁対決のアンダーカードとして行われる予定だ。
DAZNは、4月26日にトッテナム・ホットスパー・スタジアムから世界中にこのイベントを放送する。
スミス(33勝4敗1分〔20KO〕)は、2023年9月に行われたユーバンク・ジュニアとの再戦で10ラウンドにストップされて以来、試合をしていない。
その珍しいパフォーマンスは、ユーバンク・ジュニアを4ラウンド以内で圧倒してストップしてから、わずか8か月後に起こった。
スミスは、負傷により再戦の提案から撤退せざるを得ず、再設定された日程では十分な準備時間が取れなかった。減量がトレーニングキャンプの主な焦点となった。
36歳のスミスは、まだ160ポンドで大きなインパクトを残せると信じているが、それを証明する時が来たことを自覚している。彼はマッケナを乗り越えるまでは黙っておくつもりだ。
「見てくれ、俺は今の状況は全くの横一線だと思ってる」と彼は言った。「アーロン・マッケナに勝てば、その時は誰と、どこで、何をやるかについてハッキリ言うつもりだ。でもまずアーロンに勝ったら、誰でもいい。コナー(ベン)、クリス(ユーバンク・ジュニア)、ハムザ(シーラーズ)、カルロス・アダメス。誰でも来い」とスミスは『リング』誌に語った。
「これで俺は再び注目の的に返り咲けると思ってるよ。」
スミスがリングを離れている間に、ミドル級の情勢はそれほど大きく変わっておらず、『リング』誌の160ポンドランキングでトップに立つWBO・IBF王者ジャニベク・アリムハヌリを除けば、リバプール出身のスミスにとって特に気にするような相手はいない。
「ジャニベク以外は全くの混戦だよ。ジャニベクは今、別格の存在だ。俺は彼が今いる中で一番のファイターだと思ってる」とスミスは語った。
「確かに、彼は(デンゼル)ベントレーに少し手こずったのは分かってる。いくつか精彩を欠いた試合もあった。でも、調子がいい時のジャニベクは世界で一番のミドル級だし、全員に勝てるよ。
彼は(WBC王者の)カルロス・アダメスにも勝つし、(WBA王者の)エリスランディ・ララにも勝つ。ララは今でも良いファイターだけど、もう40歳だからね。」
過去数年の間にミドル級の頂点にある勢力図を崩そうとしたファイターたちの中で、ハムザ・シーラーズの評価は最も急速に上がった。
先月、スミスはシーラーズがアダメスにWBC王座へ挑戦する様子を興味深く見守っていた。
試合が発表された当初は、多くの人がシーラーズを大本命と見なしていたが、試合日が近づくにつれて世論は徐々に変わっていった。
アダメスは最終的に世界タイトルをしっかりと荷物に詰めてリヤドを後にしたが、試合の大半を支配していたように見えたにもかかわらず、スプリット・ドローという結果に甘んじなければならなかったのは不運だったように思える。
シーラーズは確かに骨折した手に苦しめられたが、多くの人々は試合展開に驚かされた。しかしスミスはその中にはいなかった。この試合は、彼が無敗の25歳について長年抱いていた考えを裏付けるものだった。
「俺は過去にハムザ・シーラーズとの試合を要求したことがある。ジョシュ・ケリーとの試合(昨年9月、スミスは病気で試合をキャンセル)よりもハムザを希望したんだ。ハムザとの試合は、ずっと気になってたカードだった」と彼は言った。
「今ここにデクラン(スミス・ロタンダ・ジムのアシスタント)を呼んできたら分かるけど、俺は2年間ずっと言ってきたんだ。『俺はハムザにピンときてない』って。スタイル的に見ても、ハムザとはずっと噛み合うと思ってた。
その試合(アダメス戦)の途中で彼から来た最初のメッセージは、『お前、いつもハムザのことそう言ってたよな』ってやつだったよ。」