現代の試合週は、コンテンツ需要とバズ狙いが相まって、ビッグブラザーの家に滞在するよりわずかに緩い程度の緊張感になる。

盛大な入場から試合開始のゴングまで、途切れない報道が、これまで何十年もほとんど見られなかった場面へのアクセスを可能にする。

減量やグローブ選び、バンデージ巻きといった様子も記録されるが、多くを見られる一方で、試合週で最も重要な瞬間の一つはカメラの外で起こることが多い。

試合当日、控室を出た後、ボクサーのチームやジム仲間はリングへ向かい、舞台裏で選手は突然一人きりとなり、ステージ左から入場する合図が出るまで自分の思考と向き合う。

それは、特に待望のプロデビューを控えた18歳のヘビー級選手にとって、何週間、何か月、あるいは何年もの努力を崩しかねない、見えない緊張の瞬間だ。

レオ・アタンのキャリアはこれから先に長く続いていくが、先月マンチェスター・アリーナでミラン・パウノフと戦うために入場を控えていたとき、彼は過去を垣間見て心を奮い立たせた。

「出て行く前に少し角をのぞいたら、学校時代から一緒に育った友人たちがみんな見えたんだ」と、アタン（1勝0敗1KO）は『ザ・リング』に語った。

「彼らがリングウォークのすぐそばの良い席を取るために、たくさん貯金してくれたことを知っている。みんなの姿が見えて、向こうも俺を見つけた。

一歩下がって『わあ』と思った。歩き出した瞬間、場内が一気に沸き上がって、おそらく人生で最高の気分だった」

関係者全員が望むように物事が進めば、アタンはすぐに世間の注目を集める存在になるだろうが、パウノフを初回で倒して世界に名を知らしめる直前、彼は最後のプライベートな時間を最大限に味わった。

試合が近づくと、多くのボクサーは目の前の課題に集中しようとする。キャリアを重ねる中で彼の姿勢も変わっていくだろうが、デビュー戦を前にしたアタンは、その瞬間を味わうことを選んだ。

試合の重大さを小さく見せたり周囲を遮断したりするのではなく、2024年世界ボクシングU-19選手権で優勝してから、どれほど遠く、そしてどれほど早くここまで来たのかを自分にかみしめた。

「ほとんど意識的にやった。自然に出たわけじゃないけど、いいことだった」と彼は言う。

「これまでやってきたこと――このキャンプだけじゃなく、全部やってきたこと――そして今、実際にここにいるんだと考えた」

「ほとんど自分に言い聞かせたんだ。『なんで自分にプレッシャーをかけてるんだ？　努力して勝ち取ったんだから、さあ楽しめ』って。それがほぼそのまま試合に臨む心構えになった。実際に歩き出した瞬間、緊張が一気に消えた気がした。

これは毎日やっていることだ。自分でやると選んでいるのであって、強制されているわけじゃない。銃を突きつけられてやらされているわけじゃない。控室で『本当にやりたいのか？』と自問することもあるけど、試合のたびに軽く自分を叩いて『何言ってるんだ？　いつもやってることだろ』って思う。

もちろん事実ではないが、今のボクシング界では、すべての若手有望株が“将来のスーパースター”だとファンに言われる。すべてのデビュー戦は、複数の世界タイトルに至る旅の第一歩だとされる。

親指ひとつでトレンドが移り変わる時代、スター候補を話題に保つことは重要だが、過剰な持ち上げは、ごく一部の選手しか届かない高いハードルを設定してしまう。

「間違いなく世界王者になる」と言われてきた選手が、百戦錬磨のジャーニーマン相手に荒れた試合をしたり、経験豊富な元王者を接戦で下したりすると、ファンはそれを堅実な成果や重要な学びの場ではなく、その選手の限界の証だと見なしてしまうのは、ほぼ避けられない。

アタンは、すでに一部から課せられている高い目標に到達するための素材をすべて備えている。デビュー戦を控えた彼との会話は実に心地よく、外から見る限り、注目や期待、そして二度のヘビー級王者アンソニー・ジョシュアとの比較にもまったく動じていないように見えた。

内心では、少なくとも現代ボクシングにおいては「第一印象を与える機会は二度と訪れない」ことを理解していた。

「みんなには『気にしてない』って言ってたけど、実際は100％気にしてた。絶対に行って印象を残したかった」と彼は言う。

「頭の中では、ほとんどプレッシャーをかけすぎていた。初回KOじゃなければ勝ちじゃない、そんな心構えで臨んだ。本当は健全な考え方じゃないけど、それでもできるだけ落ち着いてリラックスして臨もうとした自分には満足している」

試合は1ラウンドももたなかったが、リングサイドから見る限り、アタンは試合前の落ち着きをそのままリングに持ち込んでいた。

「そうだね、最初はじっくり入ったけど、相手が少し動いた瞬間、冷静さなんて吹き飛んで、ちょっと浮かれちゃったと思う」と彼は笑った。

デビュー戦としては、これ以上ない出来だった。

次に彼の成長を見られるのは、9月6日、レイントン・メドウズ・アリーナでのクリスティアン・ウワカ戦だ。この試合も再びDAZNで配信される。

パウノフに勝った後、長々と勝利を祝ったりジムから姿を消したりすることはなく、彼とトレーナーのアシュリー・マーティンは互いに健闘を称え合い、改善のための作業に取りかかった。

「もちろん2人とも興奮していたけど、改善点を探すことに集中していた。結局、それが俺たちのやるべきことだから」と彼は言う。

「パフォーマンスに酔いしれるためにここにいるわけじゃない。相手は世界トップレベルの選手じゃなかったし、まだやるべきことも、見せられるものもたくさんある」