ラモント・ローチは、ニューヨーク州アスレチック・コミッションが正しい判断を下すとは、最初からあまり期待していなかった。
ニューヨーク州アスレチック・コミッション(NYSAC)がこの1週間で行ったことは、WBAスーパーフェザー級王者のローチにとって不当なものばかりだった。ではなぜ、ローチがゲervonta・デービスとの疑惑のマジョリティ・ドローの後に、彼のチームが抗議を提出したからといって、規制機関の対応が変わると期待する理由があっただろうか?
ニューヨーク州アスレチック・コミッション(NYSAC)は金曜の夕方、ローチとデービスの関係者に対し、彼らの12ラウンド・135ポンド級王座戦の公式結果を、マジョリティ・ドローからローチの判定勝ちに変更しないと通知した。
試合の分岐点となったのは、第9ラウンド序盤にローチがダウンを奪ったかに見えた場面だった。デービスはローチに背を向けて膝をついたが、レフェリーのスティーブ・ウィリスはダウンをカウントしなかった。この判断が、ローチがプロ31戦無敗のデービスを初めて破る歴史的勝利を収めるか、それともドローに甘んじるかの違いを生んだ。
「NYSACの決定には驚いていない」とローチは土曜日、自身のXアカウントを通じて述べた。「少しは失望しているよ。特に、彼らが9ラウンドでスティーブ(ウィリス)が誤った判断を下したことを認めたのに、それでも結果を覆さなかったことにはね。でも、正直なところ、判定が覆ることに期待はしていなかった。みんな俺が試合に勝ったことは分かっているし、それで満足している。第2戦が来るぞ。」
ローチは、自身の抗議に対するSNS上での反発にも反応した。
「聞いてくれ、はっきり言うけど、俺は誰も訴えてない」とローチは続けた。「黙ってろよ。俺のチームが俺のために抗議を提出しただけだ。自分のチームが、明らかにおかしいことに対して行動を起こさなかったらどう思う? 俺のチームはちゃんと俺のために立ち上がってくれたんだ。だから、その“訴訟”とかいう話はもうやめろ。」
デービス(30勝0敗1分、28KO)は、契約上の権利を行使し、即時再戦に臨むと見られており、その試合は春の終わりから夏の初めにかけて行われる可能性がある。
一方、ローチ(25勝1敗2分、10KO)は法的にデービスとの再戦を義務付けられている。バルチモア出身の強打のサウスポーであるデービスが、自身の名誉を回復したいと望む限り、再戦は避けられない。3月1日にブルックリンのバークレイズ・センターで行われた試合は、どちらに勝利が与えられてもおかしくない接戦だった。
ドローという結果は、ローチにとって勝利した場合よりも経済的な交渉力を弱めることになった。しかし、この論争のおかげで、再戦には初戦以上の注目が集まることは間違いない。
デービスは、ドラフトキングスのスポーツブックによると、ローチに対して16対1の大本命としてリングに入る。強打のWBAライト級王者は、メリーランド州アッパー・マールボロ出身のアマチュア時代のライバルであるローチによって予想以上に試される。デービスは、第9ラウンド開始43秒で左目に髪に塗った製品のグリースが入ったと主張し、一瞬片膝をつく。
30歳のデービスは、その後ロープの間から頭を出し、共同トレーナーのカルビン・フォードに顔を拭いてもらい、試合を再開する。厳しく注目されているウィリスは、自身の許可なしにセコンドの助けを求めたデービスを失格にすることもできた。
その違反が、リングサイドに座っていたNYSAC(ニューヨーク州アスレチック・コミッション)エグゼクティブ・ディレクターのマット・デラリオの目の前で起こる中、NYSACはインスタントリプレイのみに頼る。デラリオは水曜日、『The Ring』に対し、制作トラックの送信障害により、デービス対ローチ戦のリプレイ担当だったリッキー・ゴンザレス審判が、NYSACのガイドラインに基づいて許可された時間内にモニターでこの物議を醸す場面を確認できなかったと説明する。
採点に進むと、ジャッジのグレン・フェルドマンとスティーブ・ワイスフェルドは一致し、デービス対ローチは114-114の引き分けとなる。
ジャッジのエリック・マーリンスキーは、デービスを115-113で勝者と採点する。デービスが膝をついたため、もしダウンが認められていたとしても、マーリンスキーが第9ラウンドを10-8でローチに与える必要はなかった。もしマーリンスキーがダウンを認め、第9ラウンドを10-9でローチに与えていた場合、試合は引き分けとなり、フェルドマンとワイスフェルドの採点により、ローチがマジョリティ・デシジョンで勝利していたことになる。
Keith Idecは『ザ・リング マガジン』のスタッフライター兼コラムニストである。X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡を取ることができる。