カート・スコビーは、キャリアを通じて無敗でいるつもりはなかった。しかし、こんなにも早い段階で初黒星を喫したことは、本人にとっても衝撃的で予想外だった。
スコビー(16勝1敗、14KO)は、2024年にダコタ・リンガーに敗れた後、「必ず成長して戻ってくる」と誓った。そして今のところ、その言葉どおりの歩みを見せている。2024年は最悪のスタートとなったが、そこから連勝で巻き返し、年末には勢いを取り戻した。そして2025年も、また力強く好スタートを切っている。
先週末、スコビーはセサール・ビジャラガを5ラウンドTKOで激しく仕留め、これで3連勝を飾った。スムーズかつパワフルな動きを見せたものの、世界タイトル戦線に食い込むには、まだやるべきことがある。しかし、これはボクシング。過去には“口”でビッグチャンスを引き寄せた選手が何人もいた。スコビーも、どうやらその道を歩み始めたようだ。
試合直後、スコビーはマイクを手に取り、すぐさま名前を挙げ始めた。もし望めば、同階級の中堅選手や、全盛期を過ぎた元王者などを標的にすることもできただろう。だが、スコビーが狙いを定めたのは、現ライト級でも屈指のビッグネーム、最も危険な存在たちだった。
「キーショーン・デイビス、シャクール・スティーブンソン――全員欲しい」
とスコビーは語った。
「その時が来たんだ」
スコビーの野望は大きいが、現実的に見れば、次戦でそのどちらかとリングで対峙する可能性は極めて低い。
シャクール・スティーブンソンは、ジョシュ・パドリーに圧勝したばかりで、現在はジャーボンタ・デービス、ワシル・ロマチェンコ、ウィリアム・セペダといったビッグネームとの対戦を狙っている。一方、キーショーン・デイビスのほうが若干手の届く位置にいるかもしれないが、それもほんのわずかだ。
WBOライト級王座を獲得した後、デイビスもまたジャーボンタ・デービスやエドウィン・デ・ロス・サントスとのビッグマッチ実現を目指して動いている。