【サウジアラビア・リヤド】今週末に控える
井上尚弥と
中谷潤人の試合、そして両者の間で取り沙汰されるスーパーファイトを巡る絶え間ない話題の陰で、もう一人の驚異的な日本人ファイターの存在がやや埋もれている。
元2階級制覇王者の
寺地拳四朗(アメージング・ボーイ)は、土曜日に モハメド・アブド・アリーナ で行われる一戦で、メキシコのIBFスーパーフライ級王者
ウィリバルド・ガルシア を破り、3階級目の世界王座獲得を狙っている。
寺地拳四朗(25勝2敗, 16KO)は、母国日本ではボクシング界の至宝とされ、将来的な殿堂入りは確実視されている。過去10年間で、33歳のボクサー・パンチャーである寺地は世界タイトル戦18試合中16勝を挙げ、ガニガン・ロペス(2度)、
矢吹正道、京口紘人、ヘッキー・バドラー、カルロス・カニサレス、
阿久井政悟といった相手から印象的な勝利を収めてきた。
しかし、寺地は
7月に リカルド・サンドバル に12回判定負け(2-0-1)を喫し、フライ級の統一王座を明け渡した直後でもある。この大番狂わせの敗戦を受け、多くのファンや専門家の間では、寺地が112ポンドを作ることに苦しんでいるのではないかという見方が広がったが、本人はその認識を否定した。
「フライ級の体重は作れたが、ガルシアと王座を懸けて戦う機会を与えられた。だから階級を上げた」と、寺地は通訳を通じて
『ザ・リング・マガジン』に語った。「体重を作ることは明らかに楽になった。その分、非常に厳しい練習を積むことができ、しっかりと準備を整えられている。」
「ここ数日間はリヤドでの時間を楽しんでおり、この場にいられることに胸が高鳴っている。」
一方、Ringスーパーフライ級8位のコンテンダーである ガルシア は、トップへとたどり着くまでに険しい道のりを歩んできた。
2017年にプロ転向したガルシアは、最初の6試合で4敗を喫し、実戦の中で学んでいく状況だった。将来の王者
アレハンドロ・サンティアゴ や元2階級制覇王者 ポール・バトラー に僅差の判定で敗れたが、その間も36歳の強打者は着実に成長を遂げていった。
直近2試合では、闘志あふれるガルシアが レネ・カリスト と引き分けた後、同国の相手に僅差のスプリット判定勝ちを収め、空位だったIBF王座を獲得した。今週末の一戦は初防衛戦であり、キャリア最大の試合となる。
「(ガルシアは)アグレッシブで距離を詰めてくるタイプなので、彼に対しては距離のコントロールが非常に重要になる」と寺地は述べた。「遠い距離でも近い距離でもボクシングをして、相手がどう出てくるかを見たい。その上で、勝つために最善の戦い方を判断するつもりだ」。
「この階級ではエネルギーもパワーもスピードも増している。あとは試合がどう展開するかを見るだけだ」。
ライトフライ級とフライ級で王座統一を成し遂げてきたものの、寺地拳四朗は、まだ無敗の4団体統一王者にはなっていない。 ガルシアを下すことができれば、現在115ポンド級でRing、WBA、WBC、WBOの王座を保持するパウンド・フォー・パウンドの主軸、
バム・ロドリゲス と対戦する機会が生まれる可能性がある。
ただし、
その対戦実現に向けた一つの障害となり得るのが、オーストラリアのスターでIBF指名挑戦者の
アンドリュー・モロニー の存在だ。モロニーは、6月25日までにガルシア対寺地の勝者と対戦するよう命じられている。While Teraji couldn't shed any light on how that situation would play out, his eyes widened when Bam's name was mentioned.
「バム・ロドリゲスと
フェルナンド・マルティネスの試合はフルでは見ていない」と、試合をあまり見ないタイプだと認める寺地は語った。「KOシーンを含め、見た範囲では、バムは非常に強く、タイミングも優れていた。」
「(ガルシア戦に)勝って王者になれたなら、2026年のどこかでバムと戦う計画を立てたい。ただし、その前にまずこの試合に勝たなければならない」。
バム と 寺地 の一戦は、常に激闘を繰り広げる将来の殿堂入り候補同士の対決となる。115ポンド級におけるスーパーファイトという観点では、この試合が基準となる一戦だ。