ケネス・シムズ・ジュニア.は、2年前にバティル・アフメドフに勝利したことが「人生を変える出来事」になると考えていた。
シカゴ出身のシムズは、2023年5月にラスベガスのコスモポリタンで行われたWBAの140ポンド級挑戦者決定戦で、接戦の末にウズベキスタン出身のアフメドフをマジョリティ判定で破ったが、それまで経験したことのないほど激しい試合だった。
「この時点で世界を手にすると思っていた」とシムズは
『ザ・リング』に語った。「タイトル挑戦が待っていると思ってたし、大金も手にすると思ってた。定期的に試合が組まれて、自分の名前が広まっていく、そんな未来を描いてた。でも、現実は違った。あの試合の後、1年以上もリングに立てず、また一から積み上げ直さなきゃいけなかった。」
2016年五輪代表のアフメドフに勝利したにもかかわらず、なぜ約15か月も試合が組まれなかったのか、シムズ自身もはっきりとした理由はわかっていない。複数の有力選手との対戦が流れる中で、彼はジョナサン・ロメロと
ケンド・カスタネダに勝利し、過去11か月間は最低限の活動を維持してきた。
キャリア初期にロランド・チネアやサミュエル・ティーに喫した意外な敗北は、困難な時期を乗り越える術をシムズに教えた。そのため、シムズは今週土曜に行われる
オスカー・ドゥアルテ戦で再び価値ある勝利を収めることで、アフメドフ戦後に手に入るはずだったようなビッグファイトにつながると楽観的に見ている。
「またこの地点まで戻ってきた」とシムズは語った。「今回は、あの試合のあとに期待していたこと――さっき言ったことが、今度こそ現実になると信じている。この試合をしっかり片付けた後には、それが実現すると思っている。」
とはいえ、オスカー・ドゥアルテ(29勝2敗1分、23KO)を相手にするのは簡単ではない。この試合は、イリノイ大学シカゴ校のクレジット・ユニオン1アリーナから
DAZNで配信される12回戦のメインイベントとなる。強打を誇るメキシコ人コンテンダーのドゥアルテは、2023年12月にヒューストンのトヨタ・センターで
ライアン・ガルシア(24勝2敗、20KO、1無効試合)に8回KO負けを喫して以来、3連勝中だ。
シムズ(22勝2敗1分、8KO)は、ドゥアルテの単調なスタイルが、自身にとって印象的な勝利につながると確信しており、地元ファンの前での戦いに自信を見せている。もし説得力ある形でドゥアルテを下すことができれば、アフメドフ戦で築いた勢いの一部を取り戻せるとシムズは期待している。
「正直、もどかしい時間だった」とシムズは語った。「でもこの試合に勝てば“流れが変わる”と思ってる。というのも、ドゥアルテはライアン・ガルシア戦以降、評価が上がってきているから。彼を倒せば、自分の評価も上がってタイトル挑戦に近づけると思う。彼も王座を狙ってるし、だからこそ、この試合の勝者は上に進んで、敗者はまた一からやり直し。つまり、彼がやり直すことになるってことさ。」
シムズは、WBA世界ジュニアウェルター級王者
ゲイリー・アントワン・ラッセル(18勝1敗、17KO)の指名挑戦者リストで第4位にランクされており、ドゥアルテは同ランキングで5位につけている。
当初、ドゥアルテ(29歳)とシムズ(31歳)は、昨年11月16日にサウジアラビア・リヤドのANBアリーナで対戦する予定だった。しかし、シムズがトレーニング中に膝を負傷したため試合は中止に。その夜、ドゥアルテは代役のバティル・アフメドフ(10勝4敗、9KO)と対戦し、10回戦をユナニマス判定で制している。
ドラフトキングスは、2018年11月にサミュエル・ティーに敗れて以降9連勝中のシムズを、ドゥアルテ戦ではわずかに不利なアンダードッグと見ている。
DAZNによるシムズ対ドゥアルテ戦のアンダーカード中継は、土曜午後8時(米東部時間/日本時間日曜午前9時)に開始予定。セミファイナルでは、元2階級制覇王者の
レジス・プログレイス(29勝3敗、24KO)と、元IBF世界スーパーフェザー級王者
ジョセフ・ディアス・ジュニア(34勝7敗1分、15KO)が対戦。契約体重142ポンド、10回戦で行われる。
Keith Idec は『ザ・リング』誌の上級ライター兼コラムニスト。X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡可能。