アマチュア時代に数々の実績を積んできた
ケネス・シムズ・ジュニアは、今ごろは地元で何度もメインイベントを張っているはずだと考えていた。
だがこの11年間、シムズの紆余曲折のキャリアは、まるでシカゴだけを避けるかのように展開してきた。だからこそ、16歳のアマチュア時代以来となる「ウィンディ・シティ」での今週土曜夜の試合に、シムズは心から興奮している。
シムズと、タフなメキシコ人コンテンダーである
オスカー・ドゥアルテとの12回戦スーパーライト級マッチは、
DAZNが配信する興行のメインイベントとして行われる。この興行はイリノイ大学シカゴ校のキャンパス内にあるクレジット・ユニオン・ワン・アリーナから中継される(米東部時間午後8時/英国時間午前1時)。
「俺のことを知ってる人たちの多くは、実際に目の前で俺の試合を見たことがないんだ」とシムズは
『ザ・リング・マガジン』に語った。「だからこれは俺にとって大きな意味がある。プロに転向したとき、いつか地元にビッグなプライムタイムのテレビ中継試合を持ち帰るっていうのが目標のひとつだったからさ。だから、その目標のひとつが叶ったってことだよ。」
野心を抱き続けるシムズは、今でも世界タイトルを獲れると信じている。31歳のコンテンダーである彼が、やや優位と見られているドゥアルテを下すことができれば、その目標に向けてもう一歩大きく前進することになる。
オスカー・ドゥアルテ(29勝2敗1分、23KO)は、19か月前にヒューストンのトヨタ・センターで
ライアン・ガルシアに8回KOで敗れて以来、3連勝中。一方、ケネス・シムズ(22勝2敗1分、8KO)は現在9連勝中でリングに上がる。
シムズはWBAのスーパーライト級王者
ゲイリー・アントワン・ラッセル(18勝1敗、17KO)に対する挑戦者ランキングで4位に位置し、5位のドゥアルテを一つ上回っている。
「俺にとってはいいチャンスだよ」とシムズは語った。「ドゥアルテは名前もあるし、ランキングも高い。俺にとってはスタイル的に完璧な相手だと思ってる。ボクサー対ファイターの典型的な組み合わせってよく言われるけど、まさにそれだろう。で、あいつが“逃げた”とか言ってることについては、正直気にしてない。記者会見でちょっと言い返したけど、別に本気で気にしてたわけじゃない。ただちょっとイジってやろうと思っただけさ。」
「この1週間、個人的な因縁があるのかって何度も聞かれたけど、俺はあいつのことを個人的には知らない。これは仕事だ。俺たちはリングに上がって、自分の仕事を果たすだけだよ。」
29歳のドゥアルテは、当初サウジアラビア・リヤドのANBアリーナで11月16日に予定されていた一戦から31歳のシムズが撤退したことについて、「逃げた」と主張している。だがシムズはトレーニング中に膝を負傷していたため出場できなかったものであり、その後も再戦を強く希望していた。
「あいつは前に出てくるタフなタイプだ」とシムズは語った。「だいたいそんなところさ。とにかく前に出てきて、強いパンチをガンガン打ってくる。タフさはあいつの一番の武器だろうな。打たれ強い。でも俺はリングに上がって、自分の仕事をやるだけだよ。」
シムズにとって土曜の夜は、自身の地位を高めるチャンスであるだけでなく、シカゴにもっと定期的にボクシングを根付かせるための機会でもあると考えている。
「なんでシカゴではあまり試合が開催されないのか、正直よくわからない。だって、シカゴの人たちはボクシングが大好きだからね」とシムズは語った。「でも、俺の目標と計画はそこを変えることなんだ。自分自身から始めていく。だから土曜日の試合がその第一歩になる。最高のパフォーマンスを見せて、そこから先につながる何かを、ここに戻していけたらと思ってる。」
Keith Idecは『ザ・リング・マガジン』の上級記者兼コラムニスト。X(旧Twitter)では @
idecboxing で連絡可能。