ケイティ・テイラーは、控えめで温厚な人物の典型と言ってもよい存在である。38歳の彼女は職業として女性の顔を殴ることを楽しんでいるかもしれないが、言い争いや口論となると、好んで関わるタイプではない。

アマンダ・セラノとの2度の対戦に向けた準備期間中、テイラーは常に一歩引いた姿勢を取り、セラノが激しい口調で主張するのを見守っていた。表向きには問題なさそうに見えたが、舞台裏でもセラノは同様の態度を取っていたようだ。

「彼女は後からリングに入場したい、後から名前を呼ばれたいって言ってる。全く馬鹿げてる」とテイラーは記者団に語った。「私はただリングに上がって、戦って、自分のパフォーマンスを見せたいだけ。3度目も勝ったら、もう文句は言わせない。」

3度目の勝利となれば、テイラーにとっては決定的な勝利となる。両者が初めて対戦したのは2022年で、そのときはアイルランド出身のテイラーが接戦の末、判定勝ちを収めた。

その後、セラノは長年にわたり判定に不満を訴え、結果的に再戦を実現させた。そして再戦でもテイラーが勝利。まさかの三度目の対戦に至ったわけだが、テイラーはセラノ陣営からの度重なる挑発的な発言にうんざりしている。

また、セラノとその陣営が要求している待遇の数々について、テイラーは困惑している。複数階級制覇王者であるテイラーは、入場順などの形式的な部分にはあまり関心がないと認めているものの、一定の敬意は払われるべきだと考えている。セラノとその陣営がどう思おうと、主導権を握っているのはテイラーである。セラノは確かに一流のスター選手ではあるが、テイラーに公式な勝利を収めていない以上、何ひとつ口出しする権利はないと彼女は考えている。

「私は彼女に2勝0敗だ」とテイラーは続けた。「彼女は実際、自分がその試合に勝ったと思い込んでいるようだけど、それは違う。」