元世界王者ジョージ・カンボソスは、ジャッジのスコア117-111、117-111、115-113によって判定勝利を収めた。
オーストラリアのナショナルチャンピオン、ジェイク・ウィリーは、元々の対戦相手であるダウド・ヨルダンが負傷で離脱したことにより、わずか1週間を切るタイミングで代役として試合に臨んだが、元世界王者と真っ向勝負を繰り広げる素晴らしいパフォーマンスを見せ、自身の“ロッキー・モーメント”を存分に楽しんだ。
わずか6日前、ウィリーはシドニーのクドス・バンク・アリーナの観客席に座る予定の“チケット購入者”だった。しかし、急きょメインイベント出場のオファーを受け取り、ダウド・ヨルダンの代役としてリングに上がることになった。
そして、140ポンド級の危険なオーストラリア王者ジェイク・ウィリーは、第5ラウンドの印象的な連打で勢いをつかむと、第6ラウンドでも見事な内容を披露。その後、第9ラウンドには、頭部同士の激しいバッティングによりカンボソスJr.が頭に深いカットを負ったことで、さらに攻勢を強め、カンボソスの凱旋試合を台無しにしかねない場面を何度も作り出した。
試合終盤、ウィリーはさらにギアを上げ、カンボソスJr.との打ち合いに応じて観客を沸かせた。その健闘ぶりは称賛に値し、最終的にはマッチルーム・ボクシング代表のエディ・ハーンから契約オファーを受けるというご褒美まで手にした。
とはいえ、勝利そのものはカンボソスJr.にとって揺るぎないものだった。頭部のカットを負いながらも、危機を察知して対処し、クイーンズランドのライバルであるウィリーの猛攻をしっかりと乗り越えた。
今回の試合は、カンボソスJr.が求めていた“インパクトある勝利”とはならなかったが、それでも彼は次戦で世界タイトルを狙う強い意志を示した。試合後には、IBF王者リチャードソン・ヒッチンズに対して堂々と対戦要求を突きつけた。
「いい戦いだったよ」と、試合後にカンボソスJr.は語った。
「彼はタフな奴だったよ。準備してくるのはわかってた。彼は国内140ポンド級で一番の実力者だし、これからのキャリアでもっと伸びてくるはずだ。素晴らしかったよ。5日前のオファーだったけど、それは俺も同じ。素晴らしい戦いだった。
倒したかったのは本音だ。でも彼に敬意を表する。勝ちは勝ちだし、次に進むだけだ。ヒッチンズなんて、ジェイク・ウィリーほどハードに戦えやしない。さあ、ヒッチンズ、やろうじゃないか!」
「お前と真っ向勝負でやり合いたいんだ。ヒッチンズはチョコチョコ当てて逃げるタイプだってわかってる。でも俺は戦士だ。最初の5ラウンドは美しくボクシングできたと思う。このカットをしっかり治して、すぐにでも準備万端にするつもりさ。」
「エディ(・ハーン)、やろうじゃないか。俺は本気だし、最高の相手と戦いたいと思ってる。ヒッチンズがあんたの一番の選手なんだろ?だったら俺と真っ向勝負させてみろ。6月末か?望むところだよ。かかってこい!」