【サウジアラビア・リヤド】ジュニアフェザー級初戦となった
中谷潤人 は、「ビッグバン」というリングネームに見合う内容とはならなかったものの、土曜日に モハメド・アブド・アリーナ で行われた一戦で、メキシコの
セバスチャン・エルナンデス を相手に12回判定勝ち(3-0)を収めた。公式スコアは118-110、115-113、115-113だった。
『ザ・リング・マガジン』は115-113の2者の採点に同意した。118-110の採点は大きくかけ離れていた。
中谷潤人(32勝0敗, 24KO)は、敗れはしたものの気迫ある戦いを見せ、多くの新たなファンを獲得したメキシコ人の相手と激しい攻防に持ち込まれた。
この一戦を終えたことで、中谷は、5月3日に東京ドームで行われる可能性が取り沙汰されている
井上尚弥との注目の対決に向けた道筋を整えた。現在残る唯一の障害は、無敗のメキシコ人強打者アラン・ピカソだ。ピカソはメインイベントで、ジュニアフェザー級の4団体統一王座を懸けて 井上尚弥 に挑む。
「素晴らしい試合だった」と 中谷潤人 は DAZN の試合後インタビューで語った。「セバスチャン・エルナンデス は非常にタフで素晴らしいファイターだった。自分にとって大きな学びのある経験になった。」
「試合がこのような展開になることは想定しており、それに応じたボクシングをしていた。この相手は素晴らしい戦いを見せてくれ、自分が成長するための機会になった。」
中谷はゴング直後からサウスポーの先手で危険な雰囲気を漂わせていた。左ストレートが的確に決まり、試合開始から1分以内には印象的な右アッパーも一発放った。エルナンデスは高く構えたガードの後ろから追いかけたが、怯んでいる様子で、決定的な攻撃はほとんど繰り出せなかった。
試合の流れは3回に変わった。メキシコ人ファイターが距離を詰めて手数を出し始めたのだ。中谷のボディを狙い、どちらに転んでもおかしくないラウンドの中で一定の成果を挙げた。「ビッグバン」はこれに応じ、ゴング直前に強烈な左をヒットさせた。
直近の試合で 西田凌佑 と対戦した時と同様に、中谷は攻撃面でやや冒険し過ぎるきらいがあった。床から大振りのアッパーを放ったが、エルナンデスはそれを巧みにかわし、よりコンパクトで持続的なボディ攻撃を軸にプレッシャーをかけ続けた。
6回終了間際の1分間、中谷はギアを上げ、相手にダメージを与えようとした。リング中央で足を据え、ボディと頭部へ連打を浴びせた。それでもエルナンデスの闘志は衰えず、ラウンド終了のゴングが鳴るまで果敢に打ち返した。試合はこの時点で、消耗戦の様相を呈していた。
コーナーからフットワークを使うよう明確に指示を受けた中谷は、効果的なパンチの角度を見つけ始めた。エルナンデスの突進にタイミングを合わせ、自身のボディショットを当て、知性をもってより攻撃的な相手の勢いを抑え込むことに成功した。
しかし、8回にはエルナンデスが再び本命視されていた中谷を打ち合いに引きずり込むことに成功した。このラウンドでは手数こそ多かったものの、攻撃は次第に鈍り、正確さを欠いていった。その隙を突く形で、中谷の鋭いカウンターパンチが効果を発揮した。
9回は全面的な打ち合いとなり、中谷は再びミドルレンジでの交換戦を強いられた。この形で勝ち切るしかないという覚悟が漂い、日本人サウスポーはその役割に身を委ねた。時折スペースを見つけることはできたが、長く保つことはできなかった。
王座ラウンドに入ると、中谷の右目の周囲にはかなりの腫れが見られた。11回にはエルナンデスが驚異的な手数を繰り出し、パウンド・フォー・パウンドのスターである 中谷潤人 は多くの打ち合いで後手に回った。
最終ラウンドは、この試合における中谷のベストラウンドの一つだった。巧みに動き、頭部へコンビネーションを決め、随所で逃げ道を見つけていた。エルナンデスは執拗に追い続けたが、その働きは序盤ほど効果的ではなかった。
すでに3階級制覇王者であり、パウンド・フォー・パウンドにも名を連ねる中谷は、井上尚弥とのキャリア最大の一戦を追い求めている。「モンスター」を破ることができれば、中谷の評価は飛躍的に高まり、同時にキャリア最高額の報酬を手にすることになる。
両者は今週、互いに、そして対戦相手に対しても非常に敬意を払っており、このRing V興行のプロモーションが続く中で、取り沙汰されているスーパーファイトについて語ることはほとんどなかった。今後1時間ほどのうちに井上が勝利を収めれば、ボクシング界全体が、その評価に違わぬ内容になることが保証された一戦について語り合うことになるだろう。
「世界王者と戦うために階級を上げた」と、謙虚な中谷は語った。「その機会が得られるなら、全力を尽くす。」
ただし、その全力は、この試合で見せたものを上回る必要がある。
25歳のエルナンデスは、戦績を20勝1敗(18KO)とした。