最近引退した元スーパーライト級4団体統一王者
ジョシュ・テイラーは、約20年にわたり身を置いてきたボクシング界の内外で精力的に活動を続けている。
ウェルター級への挑戦は期待外れに終わり、結果的に彼の輝かしいキャリアの最終章となったが、そのテイラーがこれまでに対戦した2人の元ライバルが、今週末の
クリス・ユーバンク・ジュニア対コナー・ベンIIの前座で、事実上のWBO挑戦者決定戦として拳を交えることになった。
ジャック・カテラル(31勝2敗、13KO)と
エコー・エスーマン(22勝1敗、8KO)は、どちらにとってもキャリア最大規模の舞台で強烈なインパクトを残す勝利を狙っている。勝者には147ポンド(ウェルター級)でより大きなチャンスが待っていると分かっているからだ。
エスーマンは、ブライアン・ノーマン・ジュニアが保持するWBO世界ウェルター級王座に対する同団体3位の挑戦者で、ノーマンは来週、サウジアラビア・リヤドで行われる“Ring IV: Night of Champions”にて、
2階級制覇王者デビン・ヘイニーを相手に防衛戦を行う予定である。カテラルは5つ下の8位に位置しており、これは今年7月に行われた
ハーレム・ユーバンク戦での第7ラウンド負傷判定勝が印象に残らない内容に終わったことが要因である。
テイラーはカテラルと、2年の間隔を空けた異例の2連戦を行い、地元凱旋となった初戦では物議を醸した12ラウンドのスプリット判定で勝利した(これが唯一の王座防衛でもあった)。しかし昨年リーズでの再戦では、競り合いの末に判定で敗れている。
エスーマンは今年5月、グラスゴーのSSEハイドロで行われた試合で、テイラーのキャリア再起の望みを見事に打ち砕いた。そしてその2カ月後、“タータン・トルネード”は再発する目の問題についての医師からの助言を受け、渋々ボクシングからの引退を決断した。
近年テイラーは、BBCやクィーンズベリーによる英国のビッグファイト中継で解説者を務める新たな役割を楽しんでおり、今回の対決についても歯に衣着せぬ物言いで語った。
「ジャックが勝つと思う。しかも結構楽にね」と彼は
『ザ・リング・マガジン』に語った。
「スタイル的に彼にぴったりなんだ。ジャックは相手が前に来るのを待って、そこに合わせるタイプだ。エコーは前に出て試合のテンポを作ろうとするけど、仕事ぶりが巧妙じゃない。すべての動きが見えるし、ショットも予測できる。だからカテラルはかなり楽に勝つだろう。
俺にとっては(エスーマン戦は)6〜7ラウンドくらいまでは“クソ楽な試合”だったんだ。でも俺は途中でアクセルを緩めて集中を切らしてしまい、奴を試合に戻らせてしまった。結果的に奴は自分のゲームプランをうまく遂行した。俺はギアが入らなかった。でもカテラルならできる。」
カテラルがフィラデルフィアを拠点とする“ボージー”・エニスとの新しいトレーニング体制を選んだことについて尋ねられると、テイラーは、ボクシングが本質的に“自己中心的なスポーツ”であり、可能性を最大限に引き出すために難しい決断を下す必要があると強調した。
「キャリアを伸ばしたいなら、やればいいんじゃないか?ジェイミーとナイジェルとの関係で停滞を感じていたのかもしれない。もし次のレベルに行くためにその移籍が必要なら、迷う理由はないよ。これは非常に利己的なスポーツだから、自分自身を優先するしかないんだ。」
カテラルもまた、柔らかい物言いではあったが、エスーマンには攻略できる弱点があることに同意していた。これは、最近スパーリング経験がある相手についてのコメントとしては慎重で外交的な発言であった。
一方ボージーはより率直で、BoxingSceneにこう語った。「見てろよ。この相手を片付けたら、アンディ(クルス)の時と同じで、ジャックはどんどん良くなる。エスーマンは“ただのパンチャー”、ディフェンスがない。ジャックはボクシングをすればいい。左右の動き、中に出たり外に出たり、フェイントを多用する。ジャックが勝つべき試合だ。」