スコットランドのボクシング界は、
ジョシュ・テイラーの引退を受けて新たな旗手を探す状況にある。
その役割を担うのは誰か。元スーパーライト級4団体統一王者のテイラーは、ベアズデン出身のフェザー級コンテンダー、
ネイサニエル・コリンズが自分の後を継ぐ存在になれると考える。
テイラーは5月のエコー・エサマン戦での敗北後、自身の将来について思案していた。しかし、再発した眼のケガが決断を奪い、34歳のプレストンパンズ出身の名王者は卓越したキャリアに終止符を打たざるを得なかった。
世界ランク入りしているコリンズ(17戦全勝8KO)は、10月4日にグラスゴーのブライヘッド・アリーナでヨーロッパ・フェザー級王座を懸け、無敗のスペイン人
クリストベル・ロレンテ(20勝0敗2分8KO)に挑む。試合は
DAZNが世界に向けて配信する。テイラーは、元英国・コモンウェルス王者のコリンズには自分の足跡を辿るだけの力があると考える。
「間違いなくそうだ。彼の才能を見てきた」とテイラーはクイーンズベリーに語る。「ジムでのスパーリングを間近で見てきたし、アスリートとしての生活ぶりも知っている。間違いなく才能がある。だからできない理由は一切ない。
もちろん、自分に有利なドミノが倒れていく必要はあるが、彼にはチャンスが広がっていると思う。必ずやれると信じているし、実際にやれる。才能は間違いなくあるから、できない理由は見当たらないよ」
テイラーの急成長ぶりは、いまだ英国ボクシング界で前例がない。わずか15戦目で世界タイトルに挑んだが、その時点ですでに百戦錬磨だった。
マッチメイクは常に野心的でスリリング。横道に逸れることはなく、すべての試合が頂点に近づくために計算されていた。そして頂点に到達すると、守りに入ることなく、さらに大物との対戦や最も厳しい挑戦を求め続けた。
コリンズは
『ザ・リン・マガジン』で10位、WBCで1位にランクされているが、世界タイトルまでにはやや遠回りな道を歩む必要がある。それでもテイラーは、同じサウスポーの後輩に自分自身を重ね、必ず到達できると信じている。
「彼の献身、推進力、集中力という点で少し自分と似ている」とテイラーは語る。「彼は視野を一点に絞り、一直線に突き進むタイプだ。頂点を目指すにはそうでなければならない。そして彼には自信とともに、それが豊富に備わっている。
それも持っているんだ。それこそが必要なものだ」