適度な自信は、ファイターをその階級のトップへと導く。しかし、過信が入り込むと、状況は一気に厄介になる。
ジョセフ・パーカーは自分が何者であるかを理解している。同時に、自分が何者でないかもよく分かっている。彼は自身の万能さを信じているものの、ヘビー級の中で最大でも最強でもなく、最も強打を誇るわけでもないことを自覚している。特に、次なる障壁として立ちはだかるダニエル・デュボアと比較すると、その差は明白だ。しかし、すべての要素がパーカーに有利とは言えないものの、スキルセットを並べて比べれば、自分のほうが確実に優れていると確信している。
「俺のほうが彼より優れたボクサーだと確信している。」とパーカーはSky Sports Boxingに語った。
アウトボクシングを軸にしつつ、必要に応じてインサイドで打ち合う——それがパーカーが現在のIBF王者に対して用いる戦略かもしれない。数年前まで、彼が再びタイトル戦線に戻ることは現実味のない話に思えた。2022年9月、Ring誌のヘビー級ランキング3位だったパーカーは、ジョー・ジョイスにキャリア初のKO負けを喫し、無惨に沈んだ。
しかし、敗北を喫した後もパーカー(35勝3敗、23KO)は立ち上がり、再び快進撃を見せた。そして現在、デオンテイ・ワイルダーやジレイ・チャンを相手に番狂わせを演じるなど、5連勝を記録し、33歳にして再びタイトル戦線に名を連ねている。
同様に、デュボアの快進撃もさらに印象的かもしれない。オレクサンドル・ウシクにKO負けを喫した後、デュボア(22勝2敗、21KO)は次の3試合をすべてKOで制し、その過程で世界タイトルも獲得した。過去最高の状態にあるとも言えるデュボアのパフォーマンスは、パーカー自身も認めるところだ。
Ring誌ヘビー級ランキング2位のデュボアに対するパーカーの敬意はこれまでで最も高まっている。しかし、2月22日の試合では、デュボアがIBF王座を腰に巻いたままリングを後にすることは許さないつもりだ。
「ダニエル・デュボアが自信に満ちているのはよく分かるし、これまでのパフォーマンスを考えれば当然だろう。でも、俺は本当に必死に努力してきた。このチャンスをずっと待っていたんだ。今回は、二度目の世界王者になるための機会だ。」