ジョセフ・パーカーと
ファビオ・ワードリーは、今夜ロンドンのO2アリーナで開催されるDAZN興行にて、ヘビー級の重要な一戦に挑むことになっている。
このメインイベントの前には、興味深い試合が多数組まれた充実のアンダーカードが行われた。
以下はその全試合のまとめである。
ユルゲン・ウルデダイ、セミメインで大差の判定勝
ユルゲン・ウルデダイはセミメインイベントでキャリア21勝目を挙げたが、その内容は決して華やかなものではなかった。
28歳のウルデダイは、タフでやっかいなロリー・ランバート(18勝4敗1分、14KO)を仕留めようと試みたものの、12ラウンドを通して彼に明確なダメージを与えることはできなかった。
とはいえ、ウルデダイ(21勝1敗、8KO)は期待されたような印象的なノックアウトを演出することはできなかったものの、判定では圧倒的に優勢であった。採点は120-108、118-110、そして119-109と、いずれもウルデダイの大差勝利であった。
ウルデダイがO2アリーナに戻ってきたのは、2023年4月にブノワ・ユーバーに8回判定で敗れて以来初めてのことだった。今回はドイツ拠点のアルバニア人として、ロンドン在住の同胞たちに多くのチケットを売りさばいたようで、入場時には大歓声が巻き起こった。
しかし、試合が始まると一転して静まり返った。両者は初回から何度も構えを変えたが、目立った有効打は見られなかった。試合の最初の3分の1は同じような展開で、実際の打ち合いよりも構えの切り替えに多くの時間を費やす展開が続いた。
ウルデダイがあれほど派手に入場したにもかかわらず、5ラウンド目にはリング上での攻防の少なさに観客からブーイングと口笛が飛んだ。ドバイを拠点とするカメルーン出身のランバートは非常に捕まえづらく、ウルデダイは攻め続けたものの成果を上げることができなかった。
9ラウンドに入り、ウルデダイが頭部からボディへと攻撃を切り替えると、やや有効打を当て始め、観客も再び盛り上がりを見せた。しかしランバートは一歩も退かず、構えを変え、かわし、滑り、徹底してウルデダイをいらだたせ続けた。
最終の第12ラウンド、両者はともにサウスポースタンスで登場し、ようやくテンポを上げて攻め合う姿勢を見せ、観客を喜ばせた。それでも両者とも最後まで崩れることなく、キャリア初の12ラウンドを戦い抜いた。
テイラー、ウッドオールを9回TKOで下す
エズラ・テイラーは、英国王座およびコモンウェルス王座挑戦の機会を失った失望を振り払い、代役として出場した
スティード・ウッドオールを9ラウンドでストップした。
31歳の“キャノン”ことテイラーは、ライトヘビー級の2本のベルトを懸けてルイス・エドモンドソンに挑む準備を整えていたが、試合週に王者が股関節の負傷を理由に出場を辞退。
そこで、急遽スーパー・ミドル級のウッドオールがわずか数日前の通知で代役として名乗りを上げ、タイトル戦ではないもののテイラーの出場が実現した。
31歳のウッドオールは体格的に明らかに劣るものの、マリク・スコットの指導を受けたテイラーを相手に大きな劣勢と見られながらも、序盤は積極的な動きを見せて好スタートを切った。
しかしテイラーは徐々に試合の流れをつかみ、第3ラウンドには鋭い右アッパーを命中させ、続けて強烈な右ストレートを叩き込むなど主導権を握り始めた。一方で、テイラーは自身のマウスピースを落とし一瞬動きを止めた際に、ウッドオールの渾身の右をもらってしまう場面もあった。レフェリーがブレイクをかけなかったためウッドオールがチャンスを逃さず打ち込んだが、テイラーは冷静に対応して持ちこたえた。
それ以降、ウッドオールの見せ場はほとんどなかった。彼はテイラーに食らいつこうと奮闘したが、特に左フックと右ストレートのコンビネーションで重いダメージを受け続けた。第8ラウンドには、テイラーが3連打、4連打と手数を増やして次々とクリーンヒットを重ね、10ラウンドを待たずに終わるだろうという展開になった。
そして予想通り第9ラウンド、ロープ際でテイラーの連打を浴び続けるウッドオールを見かねて、陣営がタオルを投入。ウッドオールは最後まで立っていたが、レフェリーがそれを確認して試合を止めた。公式な試合終了タイムは第9ラウンド54秒であった。
バーニー=スミス、クォーターメインを圧倒して快勝
ロイストン・バーニー=スミスが、これまで無敗だったダニー・クォーターメインを10ラウンドの大差判定で下し、キャリア最大の勝利を手にした。
3人のジャッジのうち2人は100–88、もう1人は98–90と採点し、10ラウンド目のダウンを含む一方的な内容でバーニー=スミスの圧勝となった。
英国の無敗ジュニアライト級同士によるこの一戦は、当初7月26日に予定されていたが、バーニー=スミスの負傷により3か月延期されていた。
結果的に、両者が繰り広げた試合はやや荒れた展開となり、クォーターメインはしばしば頭を使う反則行為で注意を受けた。一方、サウスポーのバーニー=スミスは距離を保ちつつ巧みに戦い、主要4団体のうち2団体でトップ15にランクされる相手に対しても冷静さを崩さなかった。
第7ラウンド終盤には、レミントン・スパ出身のクォーターメインがすでに大差で劣勢に立たされる中、主審マーカス・マクドネルによって減点を科された。リングサイドでは、元世界ヘビー級王者のタイソン・フューリーとダニエル・デュボアが観戦する中、RBS(ロイストン・バーニー=スミス)はさらにリードを広げていった。
21歳の若さながら無敗を誇るバーニー=スミス(15勝無敗、7KO)は、試合の主導権を握り続け、最終ラウンドの終盤には見事なフィニッシュで自身の成熟した技術と冷静さを示した。試合を通してリードフックのカウンターを的確に当て続け、最後もその一撃でクォーターメイン(13勝1敗1分、4KO)を倒した。
クォーターメインは立ち上がって最後のゴングを聞いたものの、バーニー=スミスの猛攻の前に完全に主導権を握られる形となった。
ミッチェル・スミスが華麗なリング復帰を果たし、気迫あふれる
アーニー・ドーソンに大差の判定勝ちを収めた。
スミスは135ポンドのライト級リミットを作るために体重のほぼ半分を落とし、この規模の興行に出場するのは10年ぶりであった。その間、彼は3度の服役を経験し、体重は250ポンドを超えるほどまで増加していた。
彼がマンチェスターでジョージ・ジャップに敗れ、約10年間のボクシング空白期に突入した2015年12月の夜、ドーソンはまだ12歳だった。そしてスミスは、長年の経験を駆使し、若く背の高い相手を巧みに攻略。第1ラウンド終盤には完璧なタイミングの右ストレートでダウンを奪った。
ドーソンにも見せ場はあった。力強いボディブローと鋭い右ストレートの連打を見せたが、32歳となったスミスはWBOランキングのトップ15入りを目指し、盤石の試合運びで着実にリードを広げていった。
10ラウンドの判定が発表され、スコアは98-91が2者、96-93が1者。スミスは勝利が確定した瞬間、膝をついて感極まった。