世界ランク入りしているフライ級コンテンダー、ホセリート・ベラスケスは、異常な数のバッティングと両目付近の3か所のカットを乗り越え、土曜日にメキシコ・カンクンでアドルフォ・カスティーヨに対して壮絶なユナニマス・ディシジョン勝利を収める。
数々の困難に直面しながらも、ベラスケス(21勝1敗1分、13KO)は冷静さを保ち、10ラウンドを通じて老獪なカスティーヨ(12勝5敗2分、7KO)を圧倒し続けた。
ジャッジの採点は100-89、100-89、97-92でベラスケスを支持。パンチ数でも、ベラスケスが156発をヒットさせ、カスティーヨの102発を大きく上回った。
この試合の流れは第1ラウンドから、カスティーヨによる反則で決定づけられた。最初のバッティングで、ベラスケスの右眉の外側にカットが生じた。第2ラウンドにも再び頭がぶつかる場面があったが、このときは出血には至らず、代わりにカスティーヨの左目が腫れ始めた。
第3ラウンドには、ベラスケスの一撃でカスティーヨのマウスピースが吹き飛び、レフェリーのセレスティーノ・カストロが試合を中断して装着し直した。再開後、ベラスケスが猛攻を仕掛けるが、カスティーヨが再び頭から突っ込みバッティングを誘発。今度はベラスケスの眉間に深いカットができる。カストロはここでタイムアウトを取り、カスティーヨに警告を与えたうえで、次の第4ラウンド開始前に減点1を科した。
第4ラウンドでも、ベラスケスは再びバッティングを受けたと苦情を訴えたが、度重なる反則にもかかわらず、出血はコントロールされており、カスティーヨとの戦いをしっかり掌握していた。
しかし第6ラウンドにも再度バッティングが発生し、ベラスケスは苛立ちをあらわにして顔を背けたが、試合はそのまま続行された。
第7ラウンドには、カスティーヨの右ストレートが決まり、ベラスケスの左目付近に新たなカットが生じた。
しかし、ベラスケスは一切ひるむことなく、試合を怒涛のフィニッシュで締めくくった。最終ラウンドでは試合最多となる81発中22発をヒットさせ、カスティーヨをロープ際からロープ際へと圧倒しながら打ち続け、最終的には出血させて“仕返し”を果たした。
31歳のベラスケスは、2016年リオ五輪に出場したメキシコ代表。2022年にクリストファー・ロサレスにユナニマス・ディシジョンでキャリア初黒星を喫して以来、これで5連勝中となる。
現在ベラスケスは112ポンド(フライ級)で、WBOで5位、WBCで7位、IBFで12位にランクされている。
Manouk Akopyanは『ザ・リング・マガジン』のリードライターである。X(旧Twitter)およびInstagramでは @ManoukAkopyan で連絡を取ることができる。