ホームの観客の前で戦う機会ほど、ファイターを奮い立たせるものは少ない。
ジョシュア・ジェームズ “JJ”・パガンにとって10月23日は、単なる地元寄りの声援を受ける試合ではない。彼は父方の家族の故郷である島、プエルトリコで戦うのだ。ミシガン州グランドラピッズ出身のライト級ボクサー、身長5フィート10インチ(約178センチ)のパガンは、サリタ・プロモーションズ主催の興行でマリーク・モンゴメリーと対戦し、空位のWBO NABOライト級王座を懸けたメインイベントに挑む。この試合はプエルトリコ・サンフアンのコリセイート・ペドリン・ソリーヤで開催され、
DAZNでライブ配信される予定である。
無敗のライト級有望株であるパガンは、プエルトリコで戦うことの重みを十分に理解しているが、そのプレッシャーこそが自身を高める原動力になると語る。
「自分にとってすべてを意味する」とパガンは
『ザ・リング・マガジン』に語った。「家族の前で、父の家族の出身地で試合をできること。そしてNABOタイトルを懸けて戦うこの大きなチャンスを与えられたことに、心から感謝している。」
さらに彼は続けた。「プレッシャーは大きい。でも良いプレッシャーだ。多くの人が応援に来てくれることで、自分の中にある最高のものを引き出そうという気持ちが生まれる。」
WBO NABOライト級王座は、かつてアブドラ・メイソン(19勝無敗、17KO)が保持していたが、メイソンは現在、11月22日にサウジアラビア・リヤドで開催される「The Ring IV」大会で
サム・ノークス(17勝無敗、15KO)と空位のWBO世界ライト級王座を争う予定である。
パガンがボクシングを始めたきっかけは、父でありトレーナーでもあるビクター・パガンの存在であった。幼少期から父のアマチュア時代の試合を観戦し、家族や友人とともにビッグマッチをテレビで見ることで、自然とボクシングへの情熱を育んだ。以来、JJと父は常に二人三脚で歩んできた。
「子どもの頃から、ずっと父のようになりたかった」とパガンは語る。「父は昔アマチュアボクサーで、俺もその足跡を辿りたかった。家ではよく試合観戦パーティーを開いていたんだ。初めて観た試合はメイウェザー対デ・ラ・ホーヤで、その瞬間に『自分もボクサーになりたい』と思った。あの感覚は今でも鮮明に覚えているし、父とこの時間を共有できることを誇りに思っている。彼は最初からずっと俺のそばにいた。」
「家族が集まって俺の試合を観る──そんな存在になることをずっと夢見ていた」とパガンは言う。「今それが現実になっていると思うと鳥肌が立つ。本当に信じられない感覚だ。」
モンゴメリー戦は、パガンにとってプエルトリコでの2度目の試合となる。昨年10月18日、同地でハスケル・ローズ(32勝8敗1分、16KO)に判定勝利を収めて以来のリング登場だ。パガン(13勝無敗、4KO)はミシガン州ゴールデングローブ3度優勝、さらに2021年全米選手権ウェルター級王者の実績を持ち、今年は2戦連続で圧倒的な判定勝を収めている。
25歳のパガンは、モンゴメリー(20勝1敗、18KO/ジョージア州メイコン出身)をキャリア最大の試練と見ている。モンゴメリーは直近9戦のうち8試合をKOで制していたが、3月22日にジェレミー・ヒル(22勝4敗1分、13KO)との一戦でプロ初黒星(判定負け)を喫している。
「彼はとても堅実で、非常にタフな相手だ」とパガンは評価する。「彼のスタイルはとにかく執拗だ。前回の試合は彼の実力を正しく示していなかった。あの試合ではいくつかの要因があったはずだ。だから俺は最高のモンゴメリーを想定して準備している。」
現在のライト級戦線を考えれば、モンゴメリー戦で印象的なパフォーマンスを見せることは、この華やかな階級で自身の存在を確立する絶好の機会となる。そして何より、亡き祖父ゴンサロ・パガン・シニアの代から家族のボクシング愛が始まったこの島で、それを実現できれば、キャリア最大の勝利がさらに特別な意味を持つだろう。
「この試合は次のステップへ進むための大きな一歩になる」とパガンは語る。「俺とモンゴメリーにとって、この試合はまさに岐路だ。すべてを懸ける価値がある。」