ジェシー・ロドリゲスは、115ポンドのスーパーフライ級リミットを今でも比較的楽にクリアしている。
“バム”の愛称で知られる無敗の王者が望むとおりに進めば、サンアントニオ出身の強打のサウスポーは、バンタム級へ階級を上げる前にこの階級のすべての王座を統一することになる。6か月前に格下の相手を圧倒して調整試合をこなしたロドリゲスは、7月19日、テキサス州フリスコでいよいよそのプロセスを始動させる。
ロドリゲス(21勝0敗, 14KO)は、自身が保持するRingとWBCの王座を懸けて、強打を誇る南アフリカの
プメレラ・カフ(11勝0敗3分, 8KO)と対戦する。今回の試合ではカフのWBO王座も懸かっており、115ポンド(スーパーフライ級)の世界王座統一戦として行われる。DAZNはこの12回戦を、ダラス・カウボーイズの練習拠点「フォード・センター・アット・ザ・スター」からメインイベントとして配信予定だ。
カフは昨年10月14日、東京・有明アリーナで
田中恒成(20勝2敗, 11KO)にスプリット判定で勝利し、WBOスーパーフライ級王座を奪取。大番狂わせを演じて、自身の人生を大きく変えた。
ロドリゲスは、火曜日にフリスコで行われたプロモーションイベント後、カフ戦について語った。
「彼は田中に勝ったばかりで、かなりモチベーションが高いのは分かってる」とロドリゲスはザ・リング・マガジンに語った。「ここテキサスでも同じことをやろうとしてるだろうけど、俺は田中とは違うファイターだ。俺には同じようには通用しない。」
5ラウンド、カフのカウンターの右が炸裂し、田中はダウンを喫した。このダウンが勝敗を分ける決定的な要素となり、2人のジャッジが114-113でカフの勝利と採点した。フィル・オースティンとウェルスカ・ロルダンがカフに114-113をつけた一方で、ジェシー・レイエスは同スコアで田中の勝利と採点していた。
25歳のロドリゲスは、26歳のサウスポーであるカフが田中を驚かせるまで、彼の存在をまったく知らなかったことを認めた。
「いや、まったく知らなかった」とロドリゲスは語った。「唯一見た映像は、彼が田中をダウンさせた場面だけだった。」
それでもロドリゲスは、カフとの対戦に向けて、
フアン・フランシスコ・エストラーダとの再戦や、自身のWBC王座に挑戦する1位コンテンダーである
ローマン“チョコラティート”ゴンサレスとの対戦を想定しているかのように準備を進めている。
「この試合に向けて、100%の準備をしていくつもりだ」とロドリゲスは語った。「こういう試合こそが、自分の最大限の力を引き出してくれるし、これまでの試合の10倍はハードにトレーニングする気にさせてくれる。」
ロドリゲスは、ドラフトキングスのオッズでカフに対して25対1の圧倒的有利と見なされている。カフは、The RingのWBC王座における4位コンテンダーだ。
ロドリゲスは、WBO王座を手にすれば、プロモーターのエディ・ハーンがWBA王者フェルナンド・マルティネスとの対戦を実現させてくれることを期待している。アルゼンチンのマルティネス(18勝0敗, 9KO)は、5月11日、東京・大田区総合体育館で行われた
井岡一翔(31勝4敗1分, 16KO)との12回戦のダイレクトリマッチで、10ラウンドにダウンを喫しながらもリードを維持し、3-0の判定で勝利して王座を防衛した。
「このスーパーフライ級では、あと1~2戦で完全統一に手が届くと思ってる」とロドリゲスは語った。「すべてのベルトを一度に手にすることは、自分にとって本当に大きな意味がある。」
マルティネス(33歳)はかつてIBFのスーパーフライ級王座も保持していた。しかし彼は、
メキシコのウィリバルド・ガルシア(23勝5敗2分, 13KO)との指名試合を行う代わりに、井岡との再戦を選び、そのタイトルを返上した。
「まずはこの試合がどうなるかを見てからだ」とロドリゲスは語った。「それから他の王者やベルトの状況もどう動くかを見極める必要がある。結局はタイミングの問題で、そこからどう進むかってことだ。」
Keith Idec は「ザ・リング・マガジン」のシニアライター兼コラムニスト。X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡可能。