フェルナンド・マルティネス対井岡一翔の再戦実現の望みは、もはや断たれたようだ。
しかし、ボクシングファンにとって朗報なのは、さらに注目度の高いスーパーフライ級の一戦が目前に迫っていることだ。
「ザ・リング・マガジン」の取材によると、フェルナンド・マルティネス陣営と、RingおよびWBCスーパーフライ級王者ジェシー「バム」・ロドリゲス陣営との間で交渉が進行中であるという。両陣営が合意に至れば、現スーパーフライ級のトップ2による王座統一戦が今春にも実現する見込みだ。
アルゼンチン出身のフェルナンド・マルティネス(17勝0敗9KO)は、The Ringランキングのスーパーフライ級1位であり、現WBA王者でもある。
サンアントニオ出身のジェシー・ロドリゲス(21勝0敗14KO)は、Ringのパウンド・フォー・パウンド・ランキングで5位に位置し、マッチルーム・ボクシングと帝拳プロモーションの共同プロモートを受けている。マッチルーム側はフェルナンド・マルティネスを擁するPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)関係者と接触しているが、現時点で合意が近いと示唆できる段階にはない。
いずれにせよ、フェルナンド・マルティネスと日本の井岡一翔(31勝3敗1分16KO/Ringランキング同級3位)との関係は、現時点では一度きりの対戦で終わった形となっている。
マルティネスは昨年7月6日、東京・両国国技館で井岡一翔に判定勝ち(3-0)を収め、WBAとIBFスーパーフライ級王座の統一に成功した。
両者は昨年の大晦日に再戦が予定されていたが、マルティネスが試合前日の公式計量を目前に控えたタイミングで、インフルエンザにより急遽欠場。4階級制覇王者である井岡は、対戦相手もWBA王座奪還の機会も失う結果となった。
マルティネスは、再戦が予定されていた時点で既にIBF王座を返上しており、2025年第1四半期のどこかでの再戦実現に向けて準備を進めていた。しかし、その計画もすでに白紙となっており、両陣営ともに、「ザ・リング・マガジン」からの確認要請に対しては現在のところ回答をしていない。
とはいえ、マルティネスにとって今回の代替案も悪くはない。
ロドリゲスは6月29日、アリゾナ州フェニックスで開催された試合でWBC王座を奪還し、The Ringの認定スーパーフライ級王者の座も手にした。2階級制覇王者である彼は、長期政権を築いていたフアン・フランシスコ・エストラーダ(44勝4敗28KO)にダウンを喫しながらも逆転勝利を収め、自身初の本格的な世界タイトルを手にした。
この勝利は、ロドリゲスがIBFとWBOのフライ級統一王者としてその階級を去ってから6か月後の出来事だった。彼にとってThe Ringの認定スーパーフライ級王座の初防衛戦、そしてWBC王座の2度目の保持期間となった試合は、昨年11月9日、ペンシルベニア州フィラデルフィアで行われ、ペドロ・ゲバラ(42勝5敗1分22KO)を3ラウンドKOで沈めた一戦だった。
マルティネスにとって、この統一戦の実現は極めて重要だ。というのも、彼には長らく保留されている指名試合の義務があるためだ。コスタリカ出身のデビッド・ヒメネス(16勝1敗11KO/The Ringランキング同級9位)は、WBA暫定王座を保持しており、ヒメネス陣営はその地位の履行を求めて、WBAに正式な抗議を提出したことをThe Ringに対して明らかにしている。
こうした状況下では、主要な統括団体は統一戦を優先する傾向があるが、多くの場合、試合後には勝者が次戦で指名挑戦者と対戦することを条件として発表される。
Jake Donovan は、「ザ・リング・マガジン」の米国チームの一員。X(旧Twitter)およびInstagramでフォロー可能。