ラスベガス——かつて2階級を制覇した
ジャーマル・チャーロは、近年は以前ほど派手な発言を控えているものの、現役時代と同様にビッグマウスぶりは健在である。
しかし、過去4年間でわずか1度しかリングに上がっていないチャーロは、メンタルヘルスの問題や、昨年5月のDWI(酒気帯び運転)による逮捕などの影響で、ボクシング界から遠ざかっていた。事故現場からの逃走および警察からの逃亡により、3つの軽犯罪で起訴され、WBCミドル級王座も剥奪された。
現在35歳のチャーロ(33勝0敗、22KO)は、今が正念場であることを自覚しており、オースティン・トラウト、ジュリアン・ウィリアムス、セルゲイ・デレビヤンチェンコらに勝利した全盛期を思わせるようなパフォーマンスを描いている。
「そろそろ本気を出す時が来た。ネガティブな人間を自分の周りから排除して、今はもう準備万端だ」とチャーロは
『ザ・リング・マガジン』に語った。「今は気分がすっきりしてるし、再出発の準備はできている。精神的にもクリアで、もう一度戻る準備が整った。これまで辛抱強く待ってくれたファンのみんなに感謝している」
チャーロは、自分が依然としてラマンナ(39勝5敗1分、18KO)とは異なる格のリングに立つ選手であることを証明しようとしている。ラマンナは、4年前に年老いたエリスランディ・ララに初回KOで敗れており、当時はチャーロの対戦相手として名前が挙がることすら考えられなかった存在だった。
だが、ヒューストン出身のチャーロにとって、ここ数年の凋落は大きかった。2023年11月のホセ・ベナビデス・ジュニア戦では、契約体重163ポンドの試合で3.4ポンドオーバーしながら、判定勝ちを収めた。
「ラマンナは口だけで、無礼なことばかり言っている。だからこそ、俺はあいつをぶっ倒したくなるんだ」とチャーロは語り、「片手のジャブだけでも勝てると思っている」と自信を見せた。「今回は戦いに来たんだ。フィジカルで圧倒する。自分のパワーを見せつけなきゃいけない」
2023年9月、本来であればチャーロがカネロ戦という“宝くじ”を引くはずだったが、試合に出る状態ではなく、代わりに双子の兄弟ジャーマル・チャーロが出場し、判定で大差の敗北を喫した。その数か月前の2023年6月には、チャーロとプラントがバックステージで口論となり、チャーロはプラントから強烈なビンタを浴びている。
元スーパーミドル級王者のプラント(23勝2敗、14KO)は、チャーロと同じ興行のメインイベントで
アルマンド・レセンディス(15勝2敗、11KO)と対戦予定である。チャーロとプラントの両者が勝利すれば、年内に両者の対戦が実現する見込みだ。
チャーロは、プラントに勝利したうえで、自分に約束されていたカネロ戦にたどり着くと確信している。
「ケイレブとのケリをつけなきゃならない」とチャーロは語った。「金も稼ぐし、最終的に俺が勝者になる。そして、このジャーマル・チャーロがカネロを倒す。テクニックと生まれ持った才能で。それが次の試合であり、俺のキャリアの終着点になるかもしれない」
「でも、先のことばかり考えてちゃいけない。今起きていることに集中してる。先のことを深く考えすぎないようにしてるんだ。今この瞬間に集中してる」
Manouk Akopyanは『ザ・リング・マガジン』の主任ライターである。
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