ジャーマル・チャーロは、試合を盛り上げるためにふざけて比較したのではなく、ト
ーマス・ラマーナの名前をタイソン・フューリーと同じ文で挙げた。
元WBCミドル級王者は、ラマーナの体型が腹回りに常に余分な脂肪を抱えている伝説的ヘビー級王者タイソン・フューリーに似ているという意味で言っただけだった。ラマーナは
金曜午後、ラスベガスでの計量で166.6ポンドを記録した際に締まりのない体には見えなかったが、チャーロのように彫刻のような体でもなかった。
身長6フィート1インチ(約185cm)のラマーナは、土曜夜にマンダレイ・ベイ・リゾート&カジノ内ミケロブ・ウルトラ・アリーナで行われる試合で、自身が好む160ポンドよりも上の階級で戦うことになる。
チャーロは、2021年5月にカリフォルニア州カーソンのディグニティ・ヘルス・スポーツ・パークで行われたWBAミドル級タイトル戦で、キューバのサウスポー、エリスランディ・ララに初回ワンパンチでノックアウトされたことで知られるラマーナに対して、12対1の有力とされている。
ニュージャージー州ミルビル出身のラマーナ(39勝5敗1分、18KO)は、ララの左ストレートで突然試合を終えられたその一戦以降、9連勝を飾っている。しかし、チャーロは無敗のままであり、ラマーナが連勝中に倒してきた相手よりも何段も上のレベルにいるのは明らかだ。
ヒューストン出身のチャーロ(33勝0敗、22KO)は、今回が18か月ぶりの試合であり、2020年9月以来わずか3試合目となる。ラマーナのボクシング技術を意識しつつも、自信に満ちたチャーロは、元々パンチ力が評価されていたわけではない相手をノックアウトすると見ている。
「ラマーナは普通の相手なら倒せる」とチャーロはザ・リング・マガジンに語った。「でも俺は普通じゃない。とはいえ、彼にはいい部分もあると思う。背が高くて体重もある。すごい筋肉質ってわけじゃないけどな。体のラインは少しゆるい感じだけど、ボクシングはできる。タイソン・フューリーがよく見た目で侮られるのと同じだ。見た目はよくないけど、ずっとボクシングをやってきたし、うまいんだよ」
「ラマーナもそんな感じだな。奴は戦いに来ると見ている。俺が“どうせ楽勝で倒せる”って気持ちでいたら、今回のようなトレーニングはできなかったはずだ。この試合に向けて、自分を本気にさせることができなかったと思う」
チャーロは、今年後半にライバルのケイレブ・プラントとの対決を実現させるためにも、今回のラマーナ戦で勝利する必要がある。元IBFスーパーミドル級王者のプラント(23勝2敗、14KO)は、土曜夜の12回戦メインイベントで、メキシコのアルマンド・レセンディス(15勝2敗、11KO)に20対1の有力とされている。
プラント対レセンディス戦およびチャーロ対ラマーナ戦は、AmazonのPrime Video会員向けに配信される。アンダーカードの配信は、東部標準時午後8時(日本時間午前9時)に開始予定となっている。
35歳のチャーロは、金曜日の計量で自己最高体重となる167.4ポンドを記録したが、元IBF世界スーパーウェルター級王者は、上の階級での方が体が軽く感じられ、力強さも増しているという。私生活での様々な問題によりキャリアが中断された後でも、スーパーミドル級でトップコンテンダーの一人になれることを証明したいという強い動機もある。
「階級を上げて戦う」とチャーロは語った。「今回はベルトのために戦うわけじゃない。レガシー(名声)のために戦うんだ。これは金のための試合じゃない。ただリングに上がって、戦うだけさ」
Keith Idec はザ・リング・マガジンの上級記者兼コラムニスト。X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡可能。