ジェームズ “ジャザ”・ディケンズは、今週末マンチェスターでゼルファ・バレットと対戦するにあたり、この予想外のチャンスを最大限に生かす決意を固めている。
このスーパーフェザー級の一戦は、土曜日にマンチェスターのCo-Opライブ・アリーナで行われ、DAZNによって世界中にライブ配信される予定だ。大会のメインイベントでは、ジャック・キャタロールがアーノルド・バルボサとのWBO暫定スーパーライト級王座戦に臨む。
33歳のリバプール出身ジャザ・ディケンズは、2021年にキッド・ガラハッドとのIBFフェザー級王座戦に敗れて以来、再び大舞台に戻るチャンスを探し続けてきた。
通算34勝5敗(14KO)のディケンズは、長年にわたり英国ボクシング界で愛されてきたベテランファイターだ。これまでに英国スーパーバンタム級王座とIBOフェザー級(126ポンド)王座を獲得しており、2020年のゴールデン・コントラクト・トーナメントでは、のちにWBAフェザー級王者となるリー・ウッドやライアン・ウォルシュを下して優勝を果たしている。
ガラハッド戦での敗北は、肉体的にも精神的にも辛い夜となった。しかし、それ以上に厳しかったのは、その後まるで用済みのように扱われたことだったかもしれない。
ディケンズはボクシングに人生を捧げており、注目を失わないようにもがきながら、自分の名前が常に話題に残るよう必死に努力を続けてきた。2022年10月、ディケンズはレラト・ディアミニに判定勝ちしてIBO王座を獲得。しかし、その後のヘクター・ソーサとの防衛戦ではフェザー級のリミットを作るのに苦しみ、苦戦の末に10ラウンドでストップ負けを喫し、王座を失った。
昨年、彼はジュニアライト級(スーパーフェザー級)へ階級を上げ、2試合連続で順当にノックアウト勝ちを収めた。
今週末に行われるゼルファ・バレット(31勝2敗、17KO)との一戦は、決して楽な試合ではない。しかしこの試合は、ディケンズにとって遅れて訪れた予想外の世界タイトル戦線への復帰の道を開くチャンスでもある。
年明けにはいくつかのオファーがあった中で、ディケンズは最もリスクが高く、同時にリターンも大きい選択を決断した。
ディケンズは「これはチャンスだったんだ。誰かに対する個人的な感情とかじゃないし、誰かを狙ったわけでもない。ただ純粋に、このチャンスを掴みたかった。それがマッチルームの興行であり、その先に続くものでもある」と「ザ・リング・マガジン」に語った。
「俺はこの試合を選んだ。正直言って、他の選択肢よりも厳しい試練になると思ってる。でも、他の試合は今回のような大きな舞台じゃなかったんだ。」
「バレットは良いファイターだと思う。お互いに意識していた相手じゃなかったし、急に『この試合、受けたいか?』って話が来た感じだった。」
「この試合が自分にとって何になるのか、彼にとって何になるのかって考えると、お互いにとって似たような意味を持つ試合なんだと思う。」
「今回の試合は、特に彼を狙っていたわけじゃない。あくまで自分のキャリアのため。次のステップに進むには、自分が何をするべきか、それだけを考えている。」
計量まで健康な状態で怪我なく辿り着くのは簡単なことではないし、簡単であるべきでもない。ただし、それが“必死”や“無理”になるようでは本末転倒だ。
今回のディケンズは、これまでより4ポンド少ない減量で済む。前日をソファでテレビを見ながらスナックを食べて過ごすわけではないが、これまでには何度も、最後の数ポンドを落とすために身体の限界を感じながら、長く過酷な減量の旅路を歩んできたはずだ。
130ポンドを作るために、ディケンズはいまも信じられないほどの努力を重ねている。しかし、この階級では最後の数日間の減量が少しだけ楽になった。
「体調は最高だよ」とディケンズは語った。
「今が楽になったってわけじゃない。ただ、前ほどキツくはないって感じなんだ。大事なのは誰が一番頑張ったかじゃなくて、自分をどれだけ消耗せずに済ませられるかなんだよ。」
「それが人生ってもんさ。ときには、ある階級に縛られてしまうこともある。世界タイトルに近づいていて、ランキングのトップ10に入っているなら、そのポジションを何の見返りもなく手放すなんてできないよ。」
「急に上の階級にジャンプするには、大きなチームやマーケティングチーム、プロモーターの後ろ盾が必要なんだ。でも現実には身動きが取れなくなって、そのままやり続けるしかないって状況になる。」
「それを受け入れるしかない。ときには、その道を進まなきゃならないこともあるんだ。」