ジャロン・エニスは、いつの日か英国のリングで興行のメインを務めたいと願うアメリカ人王者たちの系譜に新たに名を連ねた。
近年では、スーパー・ミドル級4団体統一王者テレンス・クロフォードや、WBOジュニア・ウェルター級王者テオフィモ・ロペスも、それぞれのキャリアの中でいつか英国で試合をしたいという願望を公言している。
リチャードソン・ヒッチンズ、シャクール・スティーブンソン、キーショーン・デービス、そしてWBC暫定ジュニアミドル級王者ヴァージル・オルティス・ジュニアも同様の関心を示しており、英国のアリーナやスタジアムを満員にできることは、自国以外での知名度と人気の高さを証明するものだと認めている。
火曜日にアリエル・ヘルワニのインタビューに応じたジャロン・エニス(35勝無敗、31KO、1無効試合)は、今月初めにウイスマ・リマを初回で仕留めた試合後、マッチルーム・ボクシングのエディ・ハーン代表と会談を行っていたことを明かした。
その会談では、今後のプランについて話し合われ、将来的にロンドンで興行のメインを務める可能性も話題に上った。
「まだ行ったことはないけど、ぜひ行きたいと思っている……実は、父がジャック(・キャタラル)の試合を手掛けているから、自分も現地に行く予定だ」と彼は語った。
「エディとも話すつもりだ。あの試合はどこだっけ、トッテナム? 俺はウェンブリーで戦いたいんだ。一度はあの舞台に立たないといけない。英国で試合ができたら、そのときこそ自分が真のメガスターになったと実感できるだろう。」
キャタラルは今年初め、米国で複数のトレーナーを試していたが、最終的にフィラデルフィアでのトレーニングを選択し、先月正式にエニスの父でありチーフトレーナーのブージーのもとに加わった。なお、当初はイスマエル・サラスやブライアン・“ボマック”・マッキンタイアとのトレーニングも検討していたと報じられている。
32歳のキャタラルは元・スーパーライト級タイトル挑戦者であり、海外でのトレーニングを求めて母国の快適さを離れた多くの意欲的な英国人ボクサーの一人だ。
しかし、彼のように大きな犠牲を払っている者はほとんどいない。約10年にわたって共に歩んだジェイミー・ムーアとナイジェル・トラヴィスとの師弟関係を解消し、生まれたばかりの息子を含む2人の子どもと妻ローレンを家に残して渡米したのだ。
ブージーとキャタラルのタッグがどのようにして実現したのか尋ねられると、エニスは詳細は知らないとしながらも、良い兆しを感じていると語った。
「ある日ジムに行ったら、ジャックがいたんだ。彼のことは知っていた。5〜6か月前にも一度来ていて、うちの父やチームの雰囲気を気に入って何度か一緒に練習していた。それでトレーナーを変えることを決めたらしい。彼がジムにいるのは楽しいし、本当にいい奴だよ。」
「昨日スパーリングを見たけど、かなりいい動きをしていた。ディフェンスも身に付きつつあって、本当に調子が良く、力強く見えた。」
キャタラルは、11月15日にトッテナム・ホットスパー・スタジアムで行われるクリス・ユーバンク・ジュニア対コナー・ベンⅡのアンダーカードで、好調のエコー・エスーマン(22勝1敗、8KO)との対戦に臨む。絶対に落とせない一戦となる。
この試合は、ブライアン・ノーマン・ジュニアが保持するWBO王座への非公式な挑戦者決定戦となる。ノーマンは翌週、サウジアラビア・リヤドで開催される「Ring IV」大会でデヴィン・ヘイニーを相手に3度目の防衛戦に臨む。
エスーマンは同団体ランキングで3位に位置しており、キャタラルは7月5日に当時無敗のハーレム・ユーバンクを破って同級デビューを果たしたものの、その内容が期待外れだったため、現在はその5つ下の8位にランクされている。
キャタラルは2022年2月、当時4団体統一王者だったジョシュ・テイラーに挑戦し全王座を懸けて戦った。その後、再起を果たしたものの、3年後にはアーノルド・バルボサ・ジュニアとの暫定王座戦で惜しくも敗れている。