たとえ探そうとしても、ジャロン・エニスがこれまで以上にシャープで凄みのある姿を見せた試合を見つけるのは難しいだろう。
先週土曜日、ニュージャージー州アトランティックシティのボードウォーク・ホールで行われた試合で、エイマンタス・スタニオニスは壮絶な猛攻を浴びて敗北した。第6ラウンドでストップされるまで、多くのファンや専門家は「エニスも苦戦するだろう」と予想していたが、それは完全な見当違いだった。
あまりにも余裕に見えた戦いぶりから、エニスはすでにキャリアの頂点に達したのではないかと考える人もいる。
確かにそのパフォーマンスは極めて高水準だったが、それでもピークだとする見方には、フィラデルフィア出身のエニスは納得していない。率直に言えば、「あれがすごいと思ったのなら、もっと強い相手との試合を見てみろ」と彼は言いたいのだ。
「本当にそう思うなら、これからを見ててくれ」と、エニスはクリス・マニックスのインタビューで語った。「相手のレベルが上がれば、試合内容も変わってくるんだ」
現在、The Ring・IBF・WBAのウェルター級王座を保持するエニス(34勝無敗30KO)は、147ポンド級のトップに君臨している。これはまだ始まりに過ぎず、エニスの最終目標は遥か先にある。
エニスが目指すのは、3階級での4団体統一王者になること。その過程で、多くの強豪との対戦が待ち構えているだろう。しかし、そうした挑戦に尻込みすることは一切ない。
27歳のエニスは傲慢ではないが、自分の技術と能力を過小評価するつもりもない。さらなる世界王座と名声への道のりは簡単ではない。しかし、それを手にする才能と精神力が自分にはあると信じている。
「一度リズムに乗って波に乗ったら、もう誰にも止められない」