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ジャニベク、凱旋試合でンガミセンゲに圧勝のノックアウト勝ちを収める
コラム
Corey Erdman
Corey Erdman
RingMagazine.com
ジャニベク、凱旋試合でンガミセンゲに圧勝のノックアウト勝ちを収める
2016年、ジャニベク・アリムハヌリとアナウエル・ンガミセンゲは、オリンピック・ボクシング75kg級の組み合わせ表で隣同士に名前を連ねていた。両者ともにオリンピック出場という夢を叶え、アリムハヌリはカザフスタン代表、ンガミセンゲはコンゴ民主共和国の旗を背負っていた。アリムハヌリはアンソニー・ファウラーと、ンガミセンゲはイリヤス・アッバディとの初戦に臨み、勝てば2回戦で直接対決となる予定だった。

しかし、ここで両者の運命は分かれる。ンガミセンゲは初戦で敗れ、アリムハヌリは準々決勝まで進んだが、カムラン・シャフスヴァルリに敗れて大会を後にする。ジャニベクはその年のうちにプロデビューを果たすが、ンガミセンゲは2019年までアマチュアにとどまり、2023年にはオリンピック再挑戦を目指して再びアマチュア戦線に戻るなど、不安定なキャリアを歩んでいた。

アリムハヌリはプロ6戦目にしてすでに10回戦を戦い、世界クラスの実力を早々に証明。2022年には世界タイトルに到達し、トップランクと契約して全米中継の舞台で活躍の場を得た。一方のンガミセンゲはそうはいかず、プロデビュー戦でKO勝ちを収めたわずか2週間後には、フランス北部でホームレスとなり、自らの進むべき道も見えないまま路上で生活していた。

アリムハヌリとンガミセンゲの物語が再び交差するとは、誰も思わなかっただろう。かつてオリンピックの組み合わせ表に並んでいただけの存在であり、共通点といえばBoxRecの中量級リストに名を連ねる何百人の一人という程度だった。アリムハヌリは世界最高クラス、あるいは現中量級最強と称される存在となり、ESPNのリングに定期的に登場するスターに成長。一方のンガミセンゲは、フランスのローカル・クラブ・サーキットを転戦しながら、シャトーやサーカス、ジムなどで、実力不足の新人や負け越しの選手たちと戦い続けることで、どうにかキャリアをつないでいた。

2023年、約1年のブランクを経て、ンガミセンゲはオレクサンドル・ウシク対ダニエル・デュボアのアンダーカードに出場するチャンスを手にする。相手は無敗のフィオドール・チェルカシン。その試合に勝利したことで、WBOとIBFの世界ランキングにランクインを果たす。舞台裏では、リング誌のランキング委員会が彼を中量級のトップ10に加えるかどうかを検討したが、最終的にデンゼル・ベントリーを選出する判断が下された。

その約1年後、ンガミセンゲは再びリングに戻り、通算成績12勝32敗2分のサンドロ・ジャジャニゼと対戦。試合会場となったのは柔道やズンバのクラスも開かれるスポーツ施設「コンプレクス・スポルティフ・アラン・マロン」だった。

それからほぼ1年後、ンガミセンゲが待ち望んでいた大きなチャンスが訪れる。2016年のリオ五輪で初戦を勝ち上がっていれば2回戦で対戦していたはずの男が、カザフスタンで行われる統一世界ミドル級タイトル防衛戦の相手を必要としていたのだ。IBFランキング7位、WBOランキング13位に位置していたンガミセンゲは、その条件を満たしており、ついに彼がリオで対峙したかった相手と向かい合うことになった。

ボクシングにおける才能の差というのは、実に不思議なものである。それが天性の能力差によるものか、環境やチャンス、そして運によって生じた差なのか。エリートアマチュアという同じスタートラインに立ち、さらにはプロでも同じトップ15にランクされている選手同士であっても、その実力差は大きく開いていることがある。チームスポーツであれば、リーグ最下位のチームが時にトップチームを倒すこともあるが、ボクシングでは、本当に偉大なファイターが、自分に勝てそうな相手を見つけるために、階級を上げ下げしてまで試合を模索することすらある。

まさにその“後者”の境遇に、ジャニベクは置かれてきた。他のミドル級王者たち、あるいは上下の階級の強豪たちに対戦を呼びかけ続けているが、いつも望んでいた相手ではない選手との試合ばかりが組まれてしまう。これは、ンガミセンゲが抱えていた悩みと本質的には同じだ。もっと大きな舞台で戦いたいと願い、声を上げ続けながらも、その機会がなかなか巡ってこなかった。ただ、ジャニベクのケースは遥かに高次元かつ収益性の高い場所で起こっていたというだけである。

土曜日、アスタナでついにジャニベク・アリムハヌリとアナウエル・ンガミセンゲが対戦した。ンガミセンゲは果敢に挑んだものの、やはりアリムハヌリが求めていたような「真の競争相手」ではなかった。初回の終盤、アリムハヌリは2発の左でンガミセンゲを倒し、レフェリーはそれがスリップかダウンか一瞬判断に迷いながらも、最終的にダウンと判定した。アリムハヌリがコーナーに戻るときの表情には、試合が続いたことへの不満ではなく、もっと強い抵抗を求めるような落胆がにじんでいた。キャリア初期に、力の差がありすぎる相手をあっけなく倒してしまったときの、あの「10週間のトレーニングが、左ボディ一発で40秒で終わったのか…」というような戸惑いを含んだ表情。前戦のアンドレイ・ミハイロヴィッチ戦でも2回に相手を痛めつけて以降、しばらく遊ぶように7ラウンド過ごした末にようやく終わらせたあの試合と、同じ表情だった。

今回も似たような展開だった。アリムハヌリは本気の抵抗がない中で、どう楽しむかを考えていたように見えた。最近になって、彼のSNSでの過激な呼びかけにカネロ・アルバレスやデビッド・ベナビデスの名も挙がるようになっているが、それは彼の「次のステージ」への伏線なのかもしれない。今回の試合では、マルコ・コントレラス・トレーナーのもと「メキシカンスタイル」の要素を取り入れたと話しており、その一環として得意のレパートリーにさらなるバリエーションを加えている。ンガミセンゲ戦では、ほぼインサイドで戦い続けた。厳密に言えば“メキシコ流”そのものとは言えないかもしれないが、少なくともメキシコのファイターたちがしばしば見せるテーマではある。

そして第5ラウンド、アリムハヌリが左の強打を打ち込み、ンガミセンゲはその場で凍りついた。目は虚ろに上を向き、足元もふらつき、アリムハヌリの目の前で完全に無防備な状態になった。その瞬間、アリムハヌリは一瞬立ち止まり、ここで試合を終わらせるべきか、まだ何か得られるものがあるのか、自分のホームファンが望むノックアウトを今見せるべきか、逡巡するようにも見えた。

そして彼は「終わらせる」ことを選んだ。もう一発、左を振り抜き、試合は終了した。

ミドル級には多くの「同時代の選手」はいる。しかし「真のライバル」は、いまだジャニベクの目の前には現れていない。

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