もし敗北がジェイク・ウィリーの自信を損なうと思っているなら、それは彼という男を分かっていない証拠だ。
この週末、24歳のウィリーは人生最大のチャンスを手にした。相手は元ライト級統一王者のジョージ・カンボソス。決して理想的なタイミングではなかったが、ウィリー(16勝2敗、15KO)はこの機会を逃すわけにはいかなかった。準備期間はほんの数日。それでも彼はリングの中心に立ち、持てるすべてをぶつけてカンボソスに食らいついた。
言い訳はしない。敗れたことは認めている。しかしウィリーは、前向きにその中の“光”を見ようとしている。試合中には何度もチャンスがあり、もしもっと準備の時間があったなら、自分のパフォーマンスはさらに良くなっていたはずだと信じている。
「しっかりキャンプを積めていれば、自分もそのレベルにいると思います」
シドニーでの記者団に対し、ウィリーはそう語った。
これから重要なのは、ウィリーが次に何をするかだ。カンボソスは今回の勝利を足がかりに、現IBF王者リチャードソン・ヒッチンズとの対戦に向けて動き出す。一方でウィリーの今後のプランについては、まだ明らかにはなっていない。
しかし、再出発を図るとはいえ、もはやウィリーがオーストラリアの街を歩いていても、写真やサインを求められずに通り過ぎることはない。そしてプロモーターのエディ・ハーンによれば、24歳のウィリーには数日以内に契約が提示される予定だという。
そう考えると、“敗北”とされる今回の試合も、ウィリーにとっては楽しめるものになっている。カンボソスとの対戦前から自信はあったが、世界トップレベルで通用するかどうかにはどこか疑念もあった。だが、実際にその舞台を体験したことで、今では自信を深め、誰が相手でもたとえ王者であっても自分が飲まれることはないと確信している。
「確かに彼(カンボソス)が勝ったし、経験の差も見せられた。でも、俺は自分がそのレベルにいると信じてる」