ニューヨーク――エドガー・ベルランガは、いつかハイメ・ムンギアに一泡吹かせたいと願ってきた。
スーパーミドル級のライバル同士はまだ対戦していないが、
ベルランガはムンギアの衝撃的な敗北から極めて重要な教訓を得た。2024年12月14日、ムンギアがフランスの伏兵ブルーノ・スラースにノックアウト負けを喫したことは、どんな相手であってもリングの上では何が起きるか分からないという事実を、ベルランガに改めて認識させた。
フランス出身の
スラースは、わずか15%のKO率を引っ提げてリングに上がった。第2ラウンドには、経験豊富で実力のある
ムンギアにダウンを奪われた。
しかし、それでもスラースは第6ラウンドに完璧な右ストレートを決め、ムンギアをマットに沈めた。この一撃は『The Ring』の2024年「年間最大の番狂わせ」に選ばれる結果となった。
ハムザ・シェラーズは、ムンギアと対戦したスラースほどの格下ではない。ムンギアは35対1の大本命だったのに対し、ベルランガ対シェラーズのオッズは拮抗している。しかしベルランガは、地元ティファナでの調整試合として設定されていた一戦でムンギアに起こった出来事を忘れてはいない。
ブルックリン出身のベルランガは、さらに
シェラーズが『The Ring』の次回大会(7月12日)での対戦を受け入れたことにも驚きを隠せなかったと語った。それは、6か月前にスラースがムンギアにキャリアを左右する一撃を放った時と同じくらいの驚きだった。無敗の英国人シェラーズは、今回スーパーミドル級での初戦としてベルランガと拳を交える。ベルランガは過去5年間、168ポンドのスーパーミドル級リミットまたはその近辺で試合を行ってきており、昨年9月14日にはラスベガスのTモバイル・アリーナで、絶対王者カネロ・アルバレス(63勝2敗2分、39KO)に判定で敗れている。
「そうだよ、(シェラーズは)一度は辞退しようとしていたって話を聞いたよ」と、ベルランガは木曜日にパラディウム・タイムズスクエアで行われた記者会見後、報道陣に語った。「彼はこの試合を受けたくなかったけど、周囲に圧力をかけられて最終的に受けたんだ。だけどな、結局のところリングの上では何が起きても不思議じゃない。あのムンギアが、無名の相手にぶっ倒されたんだからな。
KOがたった4回しかない相手に倒されたんだぜ。誰がそんな展開を予想した? あれはムンギアにとって楽勝のはずだったのに、ノックアウトされた。それを見て本当に目が覚めたよ。…俺はどんな相手でも侮ったことはないけど、あれを見て『ああ、そうだ、そうだ、そうだ。気を引き締めて全力でいかなきゃ。何が起きるか分からない』って思ったんだ」
ベルランガ(23勝1敗、18KO)は、ミドル級の160ポンドからスーパーミドル級の168ポンドへ階級を上げたシェラーズ(21勝0敗1分、17KO)をノックアウトすると予想している。シェラーズは、今年2月22日にサウジアラビア・リヤドのANBアリーナで行われたWBCミドル級王者カルロス・アダメス(24勝1敗1分、18KO)との疑惑のスプリットドロー後、階級を上げた。ドラフトキングスは、DAZNペイパービューで放送される4試合のうちの1戦として、クイーンズ区にあるテニス会場ルイ・アームストロング・スタジアムで行われるベルランガ対シェラーズ戦において、
『The Ring』スーパーミドル級9位のベルランガをわずかに有利と見ている。なお、シェラーズはミドル級で同誌ランキング3位に位置している。
一方、ムンギアはスラース(26勝1敗2分、5KO)に喫したKO敗北を、5月3日のANBアリーナでの再戦で判定勝ちにより雪辱した。ジャッジのハワード・フォスター(117-111)、キーラン・マッキャン(116-112)、ロン・マクネア(117-111)は、いずれもムンギアを
明確な勝者と採点した。
27歳のベルランガは、25歳のシェラーズに勝利することで、ムンギア(45勝2敗、35KO)との対戦機運がさらに高まることを期待している。ムンギアはスラースとの再戦において、防御面での改善を見せていた。
記者団に対し、シェラーズを侮るつもりはないと改めて述べたうえで、ベルランガはこう語った。 「俺はムンギアもぶっ倒してやりたいと思ってる」
Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライターおよびコラムニストである。X(旧Twitter)@idecboxingで連絡可能。