イスラエル・マドリモフは、今週末のスーパーファイトでリングに立つ2人をよく知っている。
マドリモフは2024年8月、
テレンス・クロフォードと対戦し、クロフォードのスーパーウェルター級デビュー戦で接戦の末に判定負けを喫した。
さらに2021年には、同じジムの仲間である
ドミトリー・ビボルのスパーリングパートナーを務め、ビボルが後に
カネロ・アルバレスを判定で下すための準備をサポートしている。
現在4団体統一スーパーミドル級王者のアルバレス(63勝2敗2分39KO)と、無敗のクロフォード(41勝0敗31KO)は、今週末ラスベガスのアレジアント・スタジアムで激突し、その模様はNetflixで配信される。
「今、世界で最も興味深い試合だと思う」とイスラエル・マドリモフは
ザ・リングに語った。「俺はこの試合を本当に楽しみにしている。個人的にはクロフォードが世界最高のボクサーだと思う。彼のスタイルは effortless(無理のない、自然体)で完璧に近い。パワーもあり、鋭さがあって、コンビネーションやカウンターの能力も優れている。プレッシャーをかけながら自在にスタンスを切り替え、インサイドでもアウトサイドでも戦える。オールラウンドに優れた選手だ。そのクロフォードが、繰り返し証明してきた168ポンドの王者アルバレスに挑むんだ。」
「ただひとつクロフォードにとって危険なのは、体重を増やしすぎることだ。彼が投稿している写真を見ると、“ハルク”みたいに筋肉をつけすぎているように見える。慣れていない体重を無理に増やすのは勧めない。大事なのは、自分が快適に動ける体重で仕上げること。試合当日はできるだけ168ポンドに近い状態で戦うべきだと思う。」
「もし体重を増やしすぎれば、カネロが有利になる。逆に、クロフォードが軽めで無理にバルクアップせず、これまで通りの強さと速さを維持できれば、この試合は五分五分で、勝てる可能性は非常に高いと思う。」
クロフォードの2016年から2023年まで続いた11連続KO勝利は、マドリモフ戦でストップした。クロフォードはライト級(135ポンド)王者、さらにスーパーライト級(140)とウェルター級(147)の完全統一王者でもある。
クロフォードはウェルター級時代、対戦した全員をノックアウトしており、2年前の夏には
エロール・スペンス・ジュニアをキャリア最高の勝ち方で圧倒した。しかし、“バド”は技巧的で老獪なマドリモフを相手に、これまでボクシング界が見慣れていた圧倒的なパワーを示すことはできなかった。
「クロフォードは俺のパンチをしっかり耐えた」と、今年2月に
ヴァージル・オルティス・ジュニアに判定で敗れたマドリモフは語った。「彼にもパワーがあって、しっかり打ち込んでくる。クリーンヒットをもらった時は、その力を感じた。パンチの精度も非常に高かった。」
「カネロ戦では、クロフォードがリングの中でどう感じるか、そしてカネロのパワーや強さにどう反応するかが重要になる。そこは予想が難しい。カネロは自信を持ってプレッシャーをかけ、クロフォードを削ろうとしてくるはずだ。それが彼の鍵──精神的にも肉体的にもクロフォードを折ろうとするだろう。でもクロフォードはカネロを驚かせ、これまで見たことのないものを見せるはずだ。カネロはこれまでクロフォードのような相手と戦ったことがないんだから。」
Manouk Akopyan は「ザ・リング・マガジン」の主任ライター。XとInstagramで@ManoukAkopyanがフォローできます。