メキシコの強打者
アイザック・クルスとアンヘル・フィエロは、2月1日に“年間最優秀試合”候補ともいえる激闘を繰り広げ、クルスが僅差の判定勝ちを収めた。そして両者は、7月19日にラスベガスで再び拳を交える。
クルス(27勝3敗1分、18KO)のプロモーターであるショーン・ギボンズは、クルスと
フィエロ(23勝3敗2分、18KO)のライバル関係が“現代のガッティ対ウォード”になる可能性があると語る。しかし、“ピットブル”クルス本人に言わせれば、第2戦は一方的な噛みつきになるという。
「前回以上にハードにトレーニングしている。7月19日にはフィエロを叩きのめしてやる」と、火花散るフェイスオフ後に語ったクルス。「あいつは俺を怒らせようとしてるが、俺は冷静な頭と熱いハートで戦う。根拠のないバカげた発言で俺の集中力は乱せない」
第1戦では両者合わせて1,410発のパンチが放たれ、クルスが248発、フィエロが238発をヒットさせた。打ち合いの応酬となったが、クルスは「さらにダメージを与えられる」と確信している。
「他の選手が相手を眠らせたり退屈な試合をするのが好きなら、それは勝手にすればいい。俺のスタイルには絶対ならない」とクルスは語る。
「前回はどこか気が抜けていた。でも今回は違う。すべては内なるモチベーションから来ている。痛みなんか感じてない。ただ最高の結果に向けて突き進んでいるだけだ。ジムと家の往復、それが全てさ」
「俺はいつも“判定で負けているつもりで戦う”っていうメンタリティを持っている。そうすると自分のベストが出せるんだ。前回はプレッシャーをかけ続ける一貫性が欠けていて、あいつに考える時間を与えてしまった。今回はその課題を修正し、より多彩なパンチを織り交ぜて仕留めにいく」
クルスのキャリアの難しさは、135ポンドと140ポンドを行き来する中で、5フィート4インチ(約163cm)のファイターにとって最適なマッチメイクを慎重に行う必要がある点にある。
サイズに恵まれないものの、観客を魅了するファイトスタイルのクルスは、
シャクール・スティーブンソンのような技巧派相手では見栄えが悪くなるかもしれない。だが、
ウィリアム・セペダのような前に出てくるタイプとは激しい打ち合いを演じる可能性が高い。
元140ポンド王者のクルスは、ロランド・ロメロに勝利し、
ジャーボンティ・デービスやホセ・バレンズエラには敗れている。そんな彼は、フィエロ戦で強烈なパフォーマンスを見せれば、ビッグマッチに繋がることを理解している。
「この試合は、最高の形で俺が勝って終わる」とクルスは語る。「その後は、
テオフィモ・ロペスJr.やアルベルト・プエジョと戦いたい。基本的には140ポンドにとどまりたいけど、デービスと再戦するために135に戻る必要があるなら、それも全く問題ない」
Manouk Akopyanは『ザ・リング・マガジン』の主任ライター。X(旧Twitter)とInstagramで @ManoukAkopyan をフォロー。