カリフォルニア州ハリウッド発——エイマンタス・スタニオニスはキャリアを通じてPBCと契約してきたが、エロール・スペンスJr、キース・サーマン、ショーン・ポーター、ダニー・ガルシア、ヨルデニス・ウガスといった名のある強豪とのビッグマッチは、長らく実現しなかった。
ジャロン・エニスもまた、自分と戦う意思と実力を持つ相手を見つけることに苦労してきたファイターだ。
だからこそ、IBF世界ウェルター級王者で『ザ・リング』誌の同級1位にランクされるジャロン・エニスと、WBA世界ウェルター級王者で同2位のエイマンタス・スタニオニスが、4月12日、アトランティックシティのボードウォーク・ホールで激突するというのは、非常に理にかなっている。
この一戦では、『ザ・リング』誌の空位となっている王座も争われる。
「俺はハイリスク・ローリターンの存在なんだ。誰も俺と戦いたがらなかったんだと思う」と、スタニオニスはロサンゼルスのワイルドカード・ボクシングジムでのトレーニング後、『ザ・リング』のインタビューに語った。
「俺は“イエス”と言うタイプ。組織のために動くファイターだ。誰とでも戦う。ただ試合をくれさえすればいい。俺の戦績がすべてを物語っている。今が、大物とやるチャンスなんだ」。
エニス(33勝0敗、29KO)は、長らくアメリカ・ボクシング界の未来と目されてきた逸材だ。
27歳となった今、ここ2年間でカレン・チュカジアン(2度対戦)、ダビド・アバネシアン、ロイマン・ビジャといったやや地味な相手との試合が続いた末に、ようやく本領を発揮するチャンスが巡ってきた。
「彼は、みんなが言ってる通りのファイターだ。素晴らしい選手だよ」とスタニオニスは語る。
「将来のP4Pキングと言われてる存在については、毎試合で何かを証明していく必要がある。俺は彼のチュカジアン戦は見てない。それは彼の問題だ。たぶんモチベーションが上がらなかったのかもしれない…人間なんて朝起きたら“今日はダメかも”って日もある。彼には大きな期待がかけられていて、アメリカでスターにしようとしてるんだろう。それは理解してる」。
スタニオニス(15勝0敗、9KO)は、エニスがこの大一番で実力を発揮してくると見ており、自らも同じように応えると誓っている。
「どんな手を使ってでも、勝利をつかみにいくつもりだ」とスタニオニスは語る。「俺は全身全霊をぶつける。それだけは間違いない。勝利が保証されているわけじゃないのはわかってる。彼は素晴らしいファイターだ。でも、俺もそうだ。しっかり準備を積んできたし、この舞台に立つ資格があると自分で思ってる」。
「無理だと言う奴ら全員に、4月12日に見せてやる。俺は自分を信じてる。これがその時だ。今しかない。やるか、やられるか、それだけだ」。
Manouk Akopyanは『ザ・リング・マガジン』の主任ライターである。X(旧Twitter)およびInstagramでは@ManoukAkopyanで連絡可能。