最近のジャロン・エニスにとって、試合があまりにも簡単になってきている。
先週末、エイマンタス・スタニオニスがフィラデルフィア出身のエニスにとって真の試練になるはずだった。しかし、試合が始まって数秒で、エニスが別次元の選手であることが明白になった。
エニスは時折、上下に打ち分けるジャブで相手を翻弄したが、退屈になってくると技巧を見せつけ、スタニオニスを血まみれにした。リトアニア人のスタニオニスが第6ラウンド終了後にコーナーへ戻ると、セコンドは白旗を上げ、これ以上の無意味な3分間の打撃を避ける判断を下した。
現在、『The Ring』誌、IBF、WBOのタイトルを保持しているエニスに対し、現プロモーターのエディ・ハーンは、新たな対戦相手を模索している。
何年もの間、ヴァージル・オルティスの名前は、対戦相手候補としてではなく、実力のある挑戦者としても取り沙汰されてきた。しかし、ハーンにとってその考えは滑稽に映る。
「エニスは楽に勝つよ」とハーンは『ザ・リング・マガジン』に語った。「楽勝さ。」
数ヶ月前には、両者の対戦が実現するかもしれないという話もあった。しかし、会談の中でエニスがまだ階級を上げる意思がないことが明らかとなり、交渉は決裂した。
現在、両者はお互いを意識しつつも、それぞれの道を歩み続けている。エニス(34勝0敗、30KO)は真価を発揮しつつあり、一方のオルティスもセルヒー・ボハチュクとイスラエル・マドリモフという強豪相手に連勝中だ。
ハーンは、オルティスの破壊的な試合を何度も間近で見てきた。154ポンド級では、彼を倒せる選手がいるかどうかは分からない。ただし、それは現在この階級に所属する選手たちに限った話だ。
ファンの視点から見れば、オルティス対エニスは必見のカードである。そして、50対50の接戦になるという見方も一部では存在する。それでも、実際に両者が対峙することになれば、ハーンはただ椅子に腰掛け、エニスがほとんど汗もかかずに勝利する様子に驚く観客の顔を見ることになるだろう。
「ヴァージル・オルティスは素晴らしいファイターだ。だが、ジャロン・エニスはただ彼を弄ぶだけだと思うよ。」