ハムザ・シーラズは、2月にカルロス・アダメスとのWBC世界タイトル戦で引き分けに終わった後、ミドル級(160ポンド)からスーパーミドル級(168ポンド)への転向を果たし、現在はこの階級で可能な限り大きな試合を狙っている。
イルフォード出身のシーラズ(21勝0敗1分、17KO)は、月曜日に新たにアイルランド・ダブリン出身の名伯楽アンディ・リーを新ヘッドトレーナーに迎えたことを発表。現在は、サウジアラビア・リヤドで開催された「ザ・ラスト・クレッシェンド」興行におけるアダメス戦で負った拳の骨折から回復中である。
同試合は物議を醸す内容となり、多くの観客や関係者がアダメスの勝利を支持していたものの、判定は118-110でアダメス、115-114でシーラズ、114-114のドローと分かれた。
それでもシーラズは、ミドル級での破壊的な日々を後にし、168ポンドでの新たな挑戦へと完全に目を向けており、エドガー・ベルランガとの対戦にも意欲を示している。ベルランガ自身も、イギリス人ファイターであるシーラズとの試合に興味を示していた。
「1億パーセント、やろうぜ」と、シーラズは『ザ・リング・マガジン』誌のルイス・ハートのインタビューでベルランガ戦について聞かれた際に即答した。「多くは語らないけど、もしあいつら(ベルランガ陣営)がその試合を望んでるなら、契約書を送ってくれ。
今はボクシング界において、『最強対最強』が求められる時代だ。リスクを負ってリングに上がるべきなんだ。俺はすでに、誰とでも戦う意思があることを示してきた。
この階級はそういう場所だ。俺は新参者だし、無名の相手と何戦もして名前を作るつもりはない。」
シーラズは160ポンド級でその名を上げ、アダメス戦以前の7試合すべてをストップ勝ちしており、イギリスで最も注目される才能の一人となっていた。
しかし、身長6フィート3インチ(約191cm)のシーラズは、かつて154ポンド級でも戦っていたことから、徐々にミドル級では減量が厳しくなっていた。昨年9月のタイラー・デニー戦およびアダメス戦では、その影響が如実に現れていた。
「ここ2試合は、もはや神話だった」と彼は語る。「言い訳にはしたくないが、本当はもっと早く階級を上げるべきだった。ただ、世界タイトルのチャンスが目の前にあったからな。
目の前にチャンスがあったら、誰だって『いいえ』とは言えないだろう。もっと早く上げるべきだったと思うけど、後悔はしていない。自分の選択、勝利、敗北、失敗すべてに責任を持つべきだと考えているからね。
とにかく大変だった。でも、もう過去のことだ。168ポンド級よ、俺は来た。あと少し太れば完璧さ。」
新たな階級への挑戦とともに、トレーナーも変更した。
シーラズはダブリンを訪れ、元WBOミドル級王者アンディ・リーとベン・ウィテカーのトレーニングを見学した際に、心を決めたという。
現在、リーはシーラズ、ウィテカー、パディ・ドノバン、ジョセフ・パーカーを同じジムで指導しており、シーラズはその『落ち着いたオーラ』が自分に必要な要素だと感じている。
「アンディはとても礼儀正しい男で、元世界王者としての経験もあり、落ち着いた雰囲気を持っている。俺にとって、この決断は正しいと思っている。チームも同意していて、ダブリンで彼と一緒にトレーニングするのが楽しみだ。」
「リッキー・フネスを離れるのは当然難しかった。長年一緒にやってきたからな。リッキーには感謝しかない。彼のおかげで世界タイトル戦まで辿り着けた。いい仕事をしてくれたよ。
でも、最終的にはファイターとしての俺自身の判断なんだ。よく『チームが選手に変われと言う』って話を聞くけど、もしそれが本当なら、4~5試合前に変えていたさ。当時から噂はあったしね。今回は俺自身が男として、選手として決断したんだ。新たなスタートを切るぜ。」
現在は拳の負傷からの回復中だが、シーラズはすでに168ポンド級での再始動に向けて準備を進めている。
「夏頃、6月か7月に復帰できればと思ってる。再びリングに戻って、階段を登り直す。何が起こるか、見ていてくれ。
この階級で大きなブレイクスルーを遂げたいね。」
現在のスーパーミドル級王者は、WBC、WBA、WBOおよび『リング』誌の王座を保持するカネロ・アルバレスと、IBF王者ウィリアム・スクールである。
両者は5月3日にサウジアラビア・リヤドのANBアリーナで開催されるリヤド・シーズンの興行で対戦予定となっており、大本命とされるアルバレスが勝利すれば、9月にはテレンス・クロフォードとの4団体統一防衛戦が予定されている。そのため、シーラズが再びタイトル戦線に食い込めるのは早くても2026年となりそうだ。