ニューヨーク――
ハムザ・シェラーズは、2月22日に
カルロス・アダメスと引き分け判定に終わった疑惑の一戦を経て、自身の熱心な支持者たちの中にも疑念を抱く者がいることを感じ取っている。
それでも、英国の有力コンテンダーであるシェラーズにとっては問題ない。彼は、自分が再びファンや識者からの信頼を勝ち取るための絶好のチャンスを与えられていることを理解している。
7月12日に
エドガー・ベルランガを下すことができれば、それはハムザ・シェラーズにとってプロキャリア7年の中で最も重要な勝利となるだろう。ベルランガ(23勝1敗、18KO)をこれまでに破った唯一の相手は、スーパーミドル級4団体統一王者のカネロ・アルバレスだ。なお、ドラフトキングスのオッズでは、ベルランガがわずかに優位とされているが、シェラーズ(21勝0敗1分、17KO)にも十分勝機がある。
シェラーズは木曜日、クイーンズのルイ・アームストロング・スタジアムで開催される
The Ring IIIのプロモーションとして、タイムズスクエアのパラディウムで行われた記者会見に出席し、エドガー・ベルランガのような実力者との対戦が持つ重要性を認めた。
「聞いてくれ、俺は行くぞ」とシェラーズは語った。「本気で行く。すべてを取りに行く。この試合に関しては、自分のキャリアの中で初めて、少し過小評価されている気がしている。まあ、それも分かるよ。ボクシングの世界では、最後の試合の内容がすべてだからな。でもはっきり言っておく。7月12日、俺が勝利を収めたとき、ハムザ・シェラーズの“ハイプ列車”は再び動き出す。そして俺たちは、全力で突き進んでいく」
自信に満ちたハムザ・シェラーズは、スーパーミドル級デビュー戦での
アダメス戦における精彩を欠いたパフォーマンスの印象を払拭するつもりでいる。イングランド・イルフォード出身のシェラーズとマネージャーのスペンサー・ブラウンによれば、彼はもっと早く階級を上げるべきだったという。
それでもシェラーズにとって、WBCミドル級王者カルロス・アダメスとの引き分け試合の前後で得た経験は、非常に貴重な学びとなった。アダメスは12回戦・160ポンドのタイトルマッチでシェラーズに勝利するだけの内容を見せたように見えたが、判定の結果、引き分けに終わった。サウジアラビア・リヤドのANBアリーナで行われたこの試合では、ジャッジのグイド・カヴァレリが115-114でシェラーズに軍配を上げ、オマー・ミントゥンSr.が114-114のドローと採点したため、ドミニカ共和国出身の王者アダメスは防衛には成功したものの、勝利には届かなかった。
シェラーズはアダメス戦の序盤で左手を骨折し、その影響でパフォーマンスに支障をきたした。しかし、その負傷は順調に回復し、5か月も経たないうちに次の大一番に向けたトレーニングを問題なく行えるまでに回復した。
「本当に多くのことを学んだよ」とシェラーズは語った。「いろんなことを学んだ。でもね、話すのは簡単さ。それはもう過去のことだ。今、俺たちはニューヨークにいる。すべては未来のためだ。ここでは、夢がどれだけ大きくても“十分”ってことはないんだ。分かるだろ? どんな夢だって限界なんてない。だからすべては未来のため、すべては7月12日のため。俺はもう準備万端だ」
シェラーズは現在、リング誌のミドル級ランキングで第3位にランクされているが、ベルランガを破ることで、スーパーミドル級でも同等の評価を得たいと考えている。なお、ブルックリン出身のエドガー・ベルランガは、リング誌のスーパーミドル級ランキングで第9位に位置している。
27歳のエドガー・ベルランガと25歳のハムザ・シェラーズによる一戦は、無敗のWBCライト級王者シャクール・スティーブンソン(23勝0敗、11KO)も出場する興行の一部として組まれている。ニュージャージー州ニューアーク出身のスティーブンソンは、3階級制覇王者であり、2016年リオ五輪の銀メダリストでもある。今回は、メキシコ・サンマテオ・アテンコ出身のサウスポー、ウィリアム・セペダ(33勝0敗、27KO)を相手に、WBCライト級王座の防衛戦に臨む予定だ。
Keith Idecは『ザ・リング・マガジン』のシニアライター兼コラムニスト。 X @idecboxingをフォロー可能です。