試合開始からわずか20秒で、デイブ・アレンはジョニー・フィッシャーについて「大したことない」と判断したという。
イギリスのヘビー級同士による両者の初対戦は、昨年12月21日にサウジアラビア・リヤドのキングダム・アリーナで行われ、フィッシャーが10ラウンドを戦い抜いた末にスプリット判定で辛勝。しかしこの結果には賛否が分かれた。第5ラウンドにフィッシャーをダウンさせ、その後も試合の大部分を支配したアンダードッグのアレンが勝っていたという声も多かった。
だが、この勝利で13戦13勝(11KO)と無敗を維持した26歳のフィッシャーは、判定に対する批判を受け入れ、即座の再戦を承諾。再戦は5月17日、ロンドンのコッパーボックス・アリーナで行われるDAZN興行のメインイベントとして組まれている。
これまでディリアン・ホワイト、ルイス・オルティス、トニー・ヨカといった強豪とも拳を交えてきたデイブ・アレン(23勝7敗2分、18KO)は、イギリスのヘビー級シーンでカルト的な人気を誇る存在。そんな彼が「ロムフォード・ブル(フィッシャーの愛称)」をこれまでの対戦相手の中でどこに位置づけるのか?
「正直言って」とアレンは語る。「試合が始まって20秒で、『ああ、たいしたことないな』って思ったよ。しかもあの時の自分は半分しか仕上がってなかったんだ。」
「キャンプを始めたときは、バターみたいに太ってたし、何年も本当の試合をしてなかった。でも試合が始まって20秒で、全部のパンチが当たってるって気づいたんだ。それで『ああ、これはうまくいってるな』って思ったよ。
試合前は、あいつがデカくて力強くて、勢いよく出てきて、とんでもないパンチを打ってくると思ってた。俺を引きずり回して、人生で一番きついラウンドになるんじゃないかって。
でも実際は、『ほら、このフェイントでも食らえよ』って思ってやったら、全部引っかかってくるんだよ。正直、たいして上手くなかった。
俺は試合に勝ったと思ってるけど、ちょっと際どくしてしまった。実際、あのときは体が仕上がってなかった。でも、今回はちゃんと仕上げてくるつもりだよ。」
アレンのトレーナーであるジェイミー・ムーアは、今回の試合に向けた長期かつ計画的なトレーニングキャンプを経て、アレンがコッパーボックスでさらに良いパフォーマンスを見せると断言している。
アレンはこう語った。
「前回の試合のときも、それなりのキャンプだったし、一生懸命トレーニングはしてたよ。でも、キャンプを始めた時点で体重が21ストーン(約133kg)もあったんだ。だから、最初の4〜5週間はただの“脂肪燃焼キャンプ”だった。ひたすら歩いたり、ジムに行って軽くバッグを叩いたり……正直、ボロボロだったよ。
でも今はいい状態にある。今回は最初から“脂肪落としキャンプ”をやらなくていいから、純粋にボクシングに集中できる。
あいつが俺に勝とうと思ったら、何か普通じゃないことをやらないと無理だろうな。」