ライト級王座統一戦――ジャーボンタ・デービス vs シャクール・スティーブンソンは、ボクシング界で最も待望されている試合のひとつだ。
しかし、強打のデービスとディフェンスの達人スティーブンソンによるこの注目の対決が、リング上で熱戦になるとは限らない。
WBA世界140ポンド級王者ゲイリー・アントワン・ラッセルは、135ポンドに階級を下げてデービスまたはスティーブンソンと対戦する意思を示しているが、このスーパーファイトが“面白い試合”になるとは思っていないという。
「また退屈な試合になると思うけど、タンク(デービス)が勝つと思う」とラッセルは『ザ・リング・マガジン』のインタビューで語った。「シャクールはタンクに勝つほどのことはしないと思う。タンク vs ラモント・ローチ戦よりも盛り上がらないだろう。ローチはリングの中央に立って打ち合いに応じたが、シャクールはリスクを取らず、ディフェンスに優れたテクニシャンだ。相手が自分よりパワーがあると感じれば、距離を保ち続けて、正確に打ち込んでくるタイプ。タンクもディフェンスが上手いから、多くのパンチは当たらないはずだ。試合はタンクがプレッシャーをかけてシャクールを追い詰めようとする展開になる。タンクは立ち上がりが遅いタイプで、シャクールは被弾を避けるために、足を使って角度をつけながら動き回るだろう。でも、そんな展開が第1ラウンドから第12ラウンドまで続く試合になると感じているよ。」
正式な発表はまだないものの、報道によればジャーボンタ・デービスとラモント・ローチの再戦が早ければ6月21日、ラスベガスのT-モバイル・アリーナで行われる可能性があるという。
ラッセルは、デービス対ローチ第1戦のセミファイナルでホセ・バレンスエラを圧倒し、判定3-0で勝利している。この試合のメインであるデービス対ローチは、引き分けに終わった。
「ラモント・ローチはタンクに対してよくやったと思うし、これまでの対戦者の中で一番いい戦いをした」とラッセルは語った。「でも、タンクは王者であり中心人物だから、本当に倒す必要がある。ローチは戦ってはいたが、タンクから勝利を“奪った”わけではない。2人とも立ち上がりが遅かった。圧勝ではなかったし、王者に勝つなら、圧倒するか、ダウンや衝撃的なパンチで優勢を見せなければいけない。でも、そういう場面はなかった。ただ、ローチはタンクと12ラウンド戦い抜いた。」
Manouk Akopyan は『ザ・リング・マガジン』のリードライターです。X(旧Twitter)およびInstagramで @ManoukAkopyan まで連絡できます。