ニューヨーク発――元ライト級統一王者
ジョージ・カンボソス・ジュニアは、
リチャードソン・ヒッチンズに脅威を感じていない。
デビン・ヘイニーとの2度にわたる12ラウンドの世界戦を経験したことで、
今週土曜、マディソン・スクエア・ガーデンのシアターで行われるIBF世界スーパーライト級王座決定戦でも、ヒッチンズを問題なくさばけると確信している。世間では比較の声もあるが、カンボソス・ジュニアは「ヒッチンズはヘイニーのレベルにはない」と断言する。
ヘイニーは3年前、オーストラリア・メルボルンのマーベル・スタジアムでカンボソス・ジュニアをアウトボックスし、4団体統一時代におけるライト級初の完全統一王者となった。
第1戦では118-110、116-112、116-112の判定で明確に勝利を収め、4カ月後に行われた再戦では、さらに大差となる119-109、118-110、118-110で再び勝利。ヘイニー(32勝無敗、15KO、1無効試合)は、その後、最近引退した3階級王者
ワシル・ロマチェンコに対し、僅差の判定勝ちを収め、The Ring、IBF、WBA、WBC、WBOの各ベルトを防衛した。
一方、カンボソス・ジュニア(22勝3敗、10KO)は、ヒッチンズの戦績にヘイニーと比較できるような価値は何一つ見出していない。現在もヘイニーとの因縁はSNS上で続いている。
「俺はヘイニーと24ラウンド戦った。濃密な24ラウンドだ」とカンボソス・ジュニアは
ザ・リング誌に語った。
「あの2試合のせいで、少し過小評価されていると思う。でもちゃんと試合を見ればわかる。第1戦は接戦だったし、第2戦でもヘイニーに良い場面があったのは確かだが、俺にも多くの好機があった。大きなパンチも当てたし、あいつはそれをよく耐えた。」
「でもな、ヘイニーとヒッチンズを比べたら、ヒッチンズなんてヘイニーの10分の1にもならない。注目されるような相手と戦ったこともなければ、勝ったこともない。見せているのは基本的な動きだけ。それを試される時が来た。俺はこの試合をすごく楽しみにしているし、自分が何を持ち込めるかもわかってる。6月14日、ヒッチンズが何を見せるか見てみようじゃないか。」
ヒッチンズ(19勝無敗、7KO)は、ニューヨーク・ブルックリン出身。昨年12月7日、プエルトリコ・サンフアンのロベルト・クレメンテ・コロシアムで、オーストラリアのリアム・パロ(25勝1敗、15KO)にスプリット判定で勝利し、IBF王座を獲得した。そのベルトの初防衛戦が今回のカンボソス・ジュニア戦となる。
ヒッチンズがパロ戦以前に挙げた最も印象的な勝利は、2023年9月、フロリダ州オーランドのカリブ・ロイヤルで行われたホセ・セペダ戦だ。ヒッチンズは当時37勝3敗のベテランサウスポーを圧倒し、セペダがそれまで敗れた相手は、元スーパーライト級王者の
レジス・プログレイス、ホセ・ラミレス、元ライト級王者のテリー・フラナガンの3人のみだった。
大手ブックメーカーのドラフトキングスは、2016年リオ五輪にハイチ代表として出場したヒッチンズを、IBF3位のカンボソス・ジュニアに対して16対1の大本命と予想している。
カンボソス・ジュニアは、今年3月22日、オーストラリア・シドニーのクドス・バンク・アリーナで代役出場のジェイク・ウィリー(17勝2敗、16KO、1無効試合)に12回判定勝ち(3-0)を収めている。しかしその前の4試合では1勝3敗と負け越しており、今回もアンダードッグとしてリングに上がることになる。
それでもIBFが彼を上位ランカーとして扱っているのは、その敗北がいずれもエリート級の強豪相手だったからに他ならない。ヘイニー戦2連敗に加え、2023年10月にはウクライナの元王者ワシル・ロマチェンコ(18勝3敗、12KO)に11ラウンドTKOで敗れている。この試合がロマチェンコにとって現役最後の一戦となった。
Keith Idec はザ・リング誌のシニアライター兼コラムニスト。X(旧Twitter)では@
idecboxingで連絡が可能。