スティーブン・フルトンはフェザー級リミットでわずか2試合を戦っただけで、再び階級を上げる必要があると判断した。
フルトンは前戦でブランドン・フィゲロアを破り、WBC世界フェザー級王座を獲得したが、そのタイトルを防衛することはないかもしれない。というのも、フィゲロア戦での減量があまりに過酷だったためだ。フィラデルフィア出身のフルトンは、
10月25日にラスベガスで
オーシャキー・フォスターのWBC世界スーパーフェザー級王座に挑戦する。
フェザー級でも興行的に魅力的で収益性のある選択肢はあった。しかし、31歳で2階級制覇王者となったフルトンは、水曜日のオンライン会見で率直に理由を語った。
「原因は体重だった」とフルトンは話した。
「過去と同じ過ちを繰り返すつもりはなかった。だから『もうこれ以上はできない。この階級では最後の試合になる』と自分に言い聞かせたんだ。」
フルトンはスーパーバンタム級(122ポンド)に長くとどまりすぎたことを悔いている。ただし、階級アップを先延ばしにしたのは経済的には理にかなっていた。なぜなら、最終的に彼は2023年7月、有明アリーナで日本のスーパースター
井上尚弥と4団体統一戦を実現できたからだ。
元WBC/WBO世界スーパーバンタム級王者のフルトンは、井上に8回TKOで敗れた後、フェザー級で2試合を行い、いずれも勝利を収めている。
フルトンのフェザー級デビュー戦は計画通りにはいかなかった。昨年ラスベガスのT-Mobileアリーナで
カルロス・カストロに5回にダウンを喫したものの立ち上がり、スプリット判定で辛勝。続いて今年2月1日には同じT-Mobileアリーナに戻り、2021年11月に「年間最高試合候補」とも言われたブランドン・フィゲロアとの再戦を行い、今回は判定で完勝を収めた。
フィゲロアとの初戦はマジョリティ判定勝利だったフルトンだが、依然としてWBC世界フェザー級王座を保持している。しかし水曜日の会見で彼は「もう126ポンドまで落とすのは不可能」と明言しており、フォスター戦後にどうするかはまだWBCに正式には伝えていないという。
「まだ分からない」とフルトンは語った。
「今はそこに集中していない。目の前の試合に集中しているだけだ。」
フェザー級では、フルトンに加えてWBC暫定王者として
ブルックリン出身のブルース “シュシュ” キャリントン、そして休養王者としてメキシコの
レイ・バルガスが存在する。
キャリントンは、フルトンがフェザー級にとどまって自分と戦うのではなく、フォスター戦を選んだことを批判。もっとも、リング誌ジュニアライト級1位にランクされるフォスターは、
リング誌フェザー級10傑で6位にいるキャリントン(フルトンは同4位)よりも実績は上だ。
もしフルトンがフェザー級に戻らなければ、WBCは暫定王者のキャリントン(16勝0敗9KO)を正規王者へ昇格させる可能性がある。なお、バルガス(36勝1敗1分22KO)は18カ月試合をしておらず、次戦の予定も決まっていない。
オレンジ(テキサス)出身のオーシャキー・フォスター(23勝3敗12KO)と、フィラデルフィア出身のスティーブン・フルトン(23勝1敗8KO)による12回戦は、MGMグランド・ガーデン・アリーナで開催されるプレミア・ボクシング・チャンピオンズ(PBC)のPPV大会のセミファイナルとして行われる。
Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライターおよびコラムニストである。X(旧Twitter)@idecboxingで連絡可能。