ファビオ・ワードリーが
ジャスティス・フニを下した勝利は、世界タイトル挑戦に向けた歩みを加速させただけでなく、フランク・ウォーレンとクイーンズベリー・プロモーションズによるヘビー級支配をさらに強固なものにした。
現在WBO、WBA、WBCのベルトを保持し、Ringのチャンピオンでもある
オレクサンドル・ウシクはフランク・ウォーレンのプロモートではないが、IBF王者の
ダニエル・デュボアはプロデビュー以来一貫してクイーンズベリーに所属している。
両者は7月19日、ウェンブリー・スタジアムで行われるヘビー級4団体統一戦で激突し、ウシクが依然として世界最強のヘビー級王者であるのか、それとも27歳のデュボアが新時代の幕を開けるのかが決する。
しかしその裏で、クイーンズベリーは密かに、次世代の有力選手たちの主導権を握りつつある。
ワードリーの勝利によりWBA暫定王座を獲得し、7月の勝者に対する挑戦権争いの最前列に名を連ねることになった。
エディ・ハーン率いるマッチルームおよびタスマン・ファイターズのプロモートを受けるフニは、彼らにとって重要な戦力となるはずだったが、ワードリーの劇的なノックアウト勝利によって、WBAの重要ポジションはウォーレン陣営にとどまった。
また、WBO暫定王者の
ジョセフ・パーカーも指名挑戦権を持つ選手のひとりであり、彼もクイーンズベリー陣営に属している。直近の4試合はいずれも、ウォーレンがプロモートを務めた「リヤド・シーズン」の興行で行われている。
IBFでは、フィリプ・フルゴビッチとフランク・サンチェスによる最終挑戦者決定戦が指示されているにもかかわらず、指名挑戦者はデレク・チゾラとされている。チゾラは、自身50戦目にして最後の試合になると公言するタイトル挑戦の機会を待ち続けている。
WBCもまたクイーンズベリーの牙城となっており、
暫定王者アギット・カバエルと同級1位のローレンス・オコリーはいずれも同陣営と契約している。両者による対戦が取り沙汰されているが、現時点では正式な発表はない。
「ザ・リング・マガジン」の報道によれば、WBO同級1位の
モーゼス・イタウマが、
8月16日にリヤドでディリアン・ホワイトと対戦する予定となっている。マイク・タイソン以来の逸材と称されるイタウマは、ダニエル・デュボアと同様にプロ転向時からクイーンズベリーに所属しており、ホワイトに勝利すれば世界タイトル戦を望む声はいっそう高まるだろう。
この状況についてフランク・ウォーレンは次のように語った。「7月19日に開催されるビッグイベントでは、4本のベルトが懸けられた大一番が行われる。」
「誰かがその4本のベルトを手にすることになる。そして、それが終われば指名挑戦者の指名が始まるだろう」
「その期間中に、彼ら全員がベルトへの挑戦機会を得ることになる」
ウェンブリー・スタジアムで全てが決着した直後にワードリーが次の挑戦者となる可能性は低いと見られているが、4本のベルトのいずれかが分裂すれば、WBAの正規王座が空位となった場合にその挑戦権を掴む可能性もある。
ワードリーは
第1子となる娘の誕生を控えており、しばらくはジムを離れる予定だ。しかしウォーレンは、30歳の有力コンテンダーから連絡が入り次第、再びビッグファイトを組む用意があると語っている。
ウォーレンは次のように言い加えた。「彼とパートナーの間に赤ちゃんが生まれる。それが次に控えていることだ。そして彼はWBA暫定王者でもある。」
「ファビオがやる準備ができていると感じている限り、我々はいつでも動くつもりだ。彼はプロモーターにとって理想的な存在だよ。本当にやりやすい。」
「そしてポートマン・ロードに関して言えば、我々はアーノルド・シュワルツェネッガーのように——また戻ってくるさ」