レオ・アタングは、待望のヘビー級デビューまであと数週間と迫っている。
昨年の世界ボクシングU19選手権で優勝し、国内タイトルを5度獲得したアタングは、プロ転向を決断した。
マッチルームは注目を集める18歳の有望株アタングとの契約争いを制し、7月5日、イングランド・マンチェスターで行われるジャック・キャタロール対ハーレム・ユーバンクのウェルター級戦のアンダーカードでアタングはプロデビューを果たす。
マッチルームは、世界ボクシング界で最も有望なプロスペクトの一人であるアタングとの契約を結べたことに大きな期待を寄せているが、その一方で、ヨーク出身の10代の若者を急がせるつもりはない。
「彼がプロとしてスタートするのが待ちきれないよ」とマッチルームCEOのフランク・スミスは『ザ・リング』誌に語った。
「見ての通り、彼はすべての資質を備えている。見た目も良くて体も大きい。ただ、まだ若くて、学ばなければならないことがたくさんある。
彼のキャリアはとても慎重に進めていくつもりだ。でも、こうした選手と“初日”から関われるというのは、本当に大きな意味がある。私たちはこれまでにも多くの選手と一緒にゼロからキャリアを築いてきたし、彼がどこまで行けるか分かっている。
彼にはそこにたどり着ける才能があるけど、それには多くの努力が必要だ。7月5日、大舞台でその旅を始められることにワクワクしている」
「ヘビー級は他の階級に比べて成熟が遅い」とよく言われるが、必ずしもそれが当てはまるとは限らない。歴史に名を残す偉大なチャンピオンたちの中には、25歳になる前にヘビー級の王座を獲得した者も少なくない。
それでも、若くて破壊力のあるヘビー級選手の登場は、プロボクシング界において最も興奮を呼ぶ物語のひとつだ。そしてアタングは、そんな大きな期待を背負ってプロ入りする、イギリスの最新の10代選手なのである。
現IBFヘビー級王者
ダニエル・デュボア(22勝2敗、21KO)は、強打の19歳としてプロデビューを果たした。一方、
モーゼス・イタウマ(12勝0敗、10KO)は、わずか12戦のキャリアでありながら、すでに世界のトップクラスの実力者たちと並び称される存在となっている。
不公平に思えるかもしれないが、20歳のイタウマが急速に成長していることから、アタングにも極めて高い基準が求められるのは避けられない。
ヘビー級選手は極めて貴重な存在であり、スミスはアタングがいずれボクシング界の頂点に到達すると確信しているが、それと同時に、マッチルームにとって将来的にビジネスの中核を担うと期待される才能とカリスマ性を持つ選手を守ることの重要性も十分に理解している。
「モーゼス(・イタウマ)は素晴らしい才能の持ち主で、いずれ世界王者になると確信している。しかも、それほど遠くない将来にね」とスミスは語った。
「でも、すべての選手にはそれぞれ異なる道がある。ヘビー級ボクシングは長いキャリアになることが多い。40代になっても大きな試合に勝ち、大舞台で戦っている選手は少なくない。
だから、彼らを比較するべきではない。我々はアタングが頂点まで行けると信じているが、これは長い旅路の始まりにすぎない。
彼はまず4回戦からスタートする。今ではあまり見かけないが、彼はアマチュアで大きなキャリアを積んできたわけではない。だからこそ、特にヘビー級では正しい形で育成する必要がある。
ヘビー級は他の階級とはまったく異なる。焦って進ませるわけにはいかない。だからこそ、我々が責任を持って正しい形で築いていく必要があるんだ」